2008年1月3日木曜日

DVD「皆殺しの用心棒」uno dopo l'altro

皆殺しの用心棒

「皆殺しの用心棒」
UNO DOPO L'ALTRO
1968年 イタリア、スペイン映画
監督 ニック・ハワード

映画のクオリティもまあ悪くないし、マスタリングも悪くないですね。
英語音声のみなのがちょっと残念。スペイン語かイタリア語で見たかった。
マカロニですから、物語やら設定やらに細かいツッコミはあって当然として…
眼鏡をかけたガンマンってのはあまりないですよね。
ん、メガネのスペアいっぱい持ってるじゃん!オマエ何者だ!
喧嘩のたびにメガネ壊されるから?
ふてぶてしい態度をあらためて喧嘩しないようにするか、他のヒーローみたいにやたら強くなるかすればいいじゃん。
てか、西部劇時代の眼鏡って、そこそこ貴重だったんじゃないの?いや、当時こんなデザインの眼鏡あったんですか?

音楽がよくない。なんだか、とって付けたようで。
とって付けたのかな。
馬を走らせるシーンによく流れるのが明るいウェスタンミュージックなんだけど、入り組んだストーリーの復讐劇なんだから、音楽でも何か"執念"めいたものを感じさせてほしい。

主題歌はとてもいいです。「荒野の1ドル銀貨」のフレッド・ボングスト。"情念"を感じます。
タイミングも場面もばっちりでとてもかっこいい!

前半はまあ普通にフムフムと見る映画だけど、後半、リンチを受けたあたりからマカロニ土壇場の娯楽復讐劇になっていく。
山賊の頭領(ホセ・マルティン・ペレス。いい顔してます)の従弟が、最初ニヒルな悪役みたいに登場して、撃たれて記憶喪失になって!?
とたんに弱気な意気地なしにいつのまにかなってて、その記憶で本当の裏切り者がわかるからメガネの主人公は力づくでゆさぶりをかけて「思い出せ!」ってそんな映画だったのか!と思う間もなく記憶全快、山賊頭領からもころっと感謝される。そんな濃いドラマが当たり前のように挿入されてるところも凄い。
そんな合間にきっちり復讐をとげて、ひとりひとり芸達者に殺してくれます。

ただ、復讐劇として面白いので、実は復讐ばっかりが目当てじゃありませんでした〜というオチはなんだか気持ちよくないですね。
アンチ・ヒーローが流行ってた時代という事もあるんだろうけれど。
やっぱりあれだけ村人を殺されたメキシコ人にお金は持って行ってもらいたい。

マカロニ的に見せ場も多い佳作だけれど、主演リチャード・ハリソンのツラがまえをどう感じるかにもよりますかね。
カメラがいいです。女優さんがきれいに撮れてます。

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