2009年6月22日月曜日

映画「グラン・トリノ」gran torino

於TOHOシネマズ西新井

なんだか評判がいいみたいで。
イーストウッドのファンなので、作品が売れてたり、評判よかったりすると、嬉しいですね。

「グラン・トリノ」
gran torino
2008年 アメリカ映画
監督 クリント・イーストウッド

イーストウッドのファンならかな〜り楽しめる映画だけど、そうでない人が見てもフツーではないかな?
と思ったのだが、評判がいいという事は、僕が思っている以上に、世の中にはイーストウッドファンがいっぱいいるようで。

なにしろ近年では一番のファンサービス映画。イーストウッドのうなり声とキメのシーンがどっさりある。

ラストはどうなんでしょうねえ。
ストーリィや設定的には、これでいいんだろうけれど…
今までイーストウッドが演じてきたヒーロー像があるだけに、感慨深い結末になるのだろうけれど…
暴力で物事を解決して来た男が人生のラストにできる事は、暴力の使い方を少し変えるぐらいだった…
(イーストウッド扮するコワルスキーは、警官でも職業軍人でもないので、暴力まみれの人生でもないのだろうけれど、イーストウッドのこれまでのヒーロー像と重ねてみると)
気になるのは、これで本当に悪者が長期刑になるのかな?過去にコワルスキーが銃を向けた相手の家の玄関先で、懐から何か取り出すそぶりをして、それで撃たれたからって。
アメリカの弁護士って、こんな状況ならかなり短い刑期にしてくれそうですが。
たしか15年ほど前、ガールフレンドを迎えに行った日本人青年が、彼女の父親に玄関先で撃ち殺されて、刑事訴訟で父親は無罪になった、そんな事件がありましたね。
「殺す側の論理」がある程度認められる国アメリカで、コワルスキーの身を挺した解決法も、果たしてどれほどの"平和"を作り出せるのだろうか。
おっと、この場合は殺したのがアジア系で、殺されたのが白人だから長期刑になる?
それはともかく、この映画は寓話なんだから、あまり細かい事を気にするな、それよりもコワルスキーの心理、その曲折を見たら泣けるじゃないか、というのも確かにそうですね。美しい映画です。
しかし、社会派映画ではないにせよ、現代アメリカを舞台にした、社会的背景を持った一個人のドラマとして見てしまうと、ラストの甘さはなんとなく気になるなあ。
いっそのこと、タオがグラン・トリノに乗ってるラストとかは、すべてコワルスキーが死ぬまぎわのコンマ何秒間に夢見た事と思えば、映画はファンタジーですから、それもありですね。

そう言えば、イーストウッド映画って、肝心な部分がテキトーだったりするなあ。
作品の何が肝心か、というのが脚本上のクライマックスとは限らないのでしょうねえ。じゃあ何が肝心なのかって、さあ僕はずっとニヤニヤしながら見てたので、そこまで気がまわりませんでした。

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