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2010年6月14日月曜日

映画「ハート・ロッカー」hurt locker

於TOHOシネマズ西新井
見たの4月なんですけどね。

The Hurt Locker
2008年 アメリカ映画
監督 キャサリン・ビグロー

キャサリン・ビグローというと「ニア・ダーク/月夜の出来事」ですかね。
当時、お、これは!と思った。
でも僕の中ではそれっきりかなあ。
「ハート・ブルー」も悪くないけれど、さほど熱くはならなかった。もうちょっと泥臭いのが好きなんで。

で、ずーっと時代は下って本作、これはいいですね。
全編緊張感たっぷりでリアル路線のアクション映画としてよく出来てます。

欲を言えば、主人公がアメリカ映画でよくある無鉄砲・無協調野郎、リアル路線なのにステロタイプのヒーローなので、もうちょっとキャラクターの描き込みが欲しかったな。
それなりにキャラクターに奥行きをつけてはいるんだけれど、結局いつまでもステロタイプで新鮮さがないし(緊張状態を求めつづけるってのも映画や小説ではよくあるような)、
淡々としたリアル描写からは共感できるところも少ない。
むしろ共感を拒絶してるくらいですかね。

この、共感の拒絶がドキュメンタリーっぽいリアルさに一役買っているのだけど、強い主張を発しにくい。強い緊張感と弱いテーマ。今のアメリカの戦争映画らしいとも言えるのかな。

アクション映画、スリラー映画としては満足できるけど、人間描写の映画としてはもう少し詰めが欲しい。ふ〜ん、て感じ。
緊張シーン以外は淡々としたタッチに徹したキャサリン・ビグローの気持ちもわからないではないけれど、それで何か伝わってくるかというとそうでもない。
それでいてラストはいきなり「アメリカが世界に広めた民主主義は、彼らヒーローの犠牲的精神の上に成り立っている」そんな絵作りなので、なんか興ざめしてしまう。
それまで社会的にはローテンションな路線だったのに、そんな急に高揚されたって。
僕には安易なラストシーンに感じられて、この映画にはもったいない。

こういう映画を見てつくづく思うのは、アメリカ人って、かの地の状況をこの映画ぐらい知ってても、まだ出張戦争続けるてるんだから、不思議だよなあ。
自分の国で爆弾テロを防ぐのならしゃあないけど。

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