台東区中央図書館から借りました。
「頭上の敵機」
Twelve O'Clock Hight
1950年 アメリカ映画
監督ヘンリー・キング
第二次世界大戦で、イギリスにいるアメリカ軍基地からドイツを爆撃していたB-17飛行中隊のおはなし。
日本ではアメリカの爆撃機というとB-29が代表格だし、市民への爆撃をさんざんやったから悪役になりがちですが、
ヨーロッパでのB-17というと、そりゃあ一般市民も殺したろうけれど、アメリカでは戦争中その活躍がよく報道されていたようだし、「空の要塞」なんて呼ばれて、たまに敵戦闘機を返り討ちにしたり、あるいは撃ち落とされる方がやっぱり多かったりで「傷だらけのヒーロー」的なイメージがあるみたいですね。
「空の要塞」というのは、装甲が厚くて敵戦闘機の攻撃に強いのみならず、機体のあちこちから機関銃がニョキニョキと出てて、近づいてくる敵を撃ち落としてしまおうというものだからですね。
それはもう設計思想の段階から防衛用の「要塞」にしてやれというものだったらしく、それって宮崎駿が夢想する「空飛ぶ重武装船」じゃん。
そのへんは映像的な題材になりそうなんだけれど、当時のアメリカ人はB-17をよく知っていたであろうせいか、B-17がどういう飛行機か、というのを映画的にかっこよく説明してくれないし、
この映画はテーマが「司令官の苦悩」になってるので、乗組員レベルでのチームワークや要塞っぷりについてはあまり描かれていないです。
テーマ、司令官の苦悩っていうのが、せっかく鍛えた部下たちを毎日のように送り出して行くうちに神経がまいってしまう、というもので、むうん、映画としてなんか面白くないぞ。
この映画は後にテレビドラマにもなったようで、それは見たことないけれど、テレビドラマなら、飛行機一機の中でのドラマ、チームのドラマ、兵卒ひとりのドラマが作れそうで、司令官なんかよりもそっちのほうがよっぽど面白そうだ。
検索してみたら、B-17には機関銃が13丁装備されてるそうで、ええ!そんなに!
っていう事を検索して知るのではなくて、映画を見て知りたかったなあ。
他にB-17の出てくる映画は「メンフィス・ベル」がそうなんだけど、う〜ん、見たけど覚えてない。
B-17操縦士訓練教本
http://barella.mat.ehime-u.ac.jp/kumac/B17/index.html
非情に興味深いです。
こんな狭いところに入り込んで、敵の戦闘機が迫って来るのを見て(動いてよけることもできず)、撃ち返すのか〜、こわい!
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