2012年10月22日月曜日

映画「ボーン・レガシー」bourne Legacy

於TOHOシネマズ西新井

「ボーン・レガシー」
The Bourne Legacy
2012年アメリカ映画
監督 トニー・ギルロイ

予告編見た感じだと、なんか普通の映画みたいだな〜と思ってたけど、監督がトニー・ギルロイだし、ジェレミー・レナーもまあわりと好きな俳優なので、見ておきましょうか。

おっと、エドワード・ノートンいいね。
わ!ステイシー・キーチだ、貫禄たっぷりに謀略してまっせ〜!
この「陰謀会議進行中」みたいな描写がいいですね。トニー・ギルロイの腕の見せ所ですかねえ。
前半はアクションシーンが多くないけど、それなりに見れてしまう。
"ジェイソン・ボーン"シリーズほど展開が目まぐるしくもないし、複雑でもないし、小ネタも多くない。
ボーン三部作と比べてしまえば見劣りするかも知れないけれど、もともとさほど期待してなかったから、けっこうやるじゃんこの映画、ぐらい思ってました。

しかしそれもマニラで薬品工場を出るまでだなあ。
言うなればあそこでこの映画はストーリー的に終わっているわけで、その後は激しいアクションをひとしきりやって幕を閉じる、という映画的に安易な道に走ってしまったのだが、うまくいってないよ。
安易な道もいいけれど、それはアクションシーンに確固たるビジョンやチャレンジがあれば、という場合です。
アクションしか見せるものがなくても、心意気で十分楽しめる映画もある。でも、ハリウッド映画だと、パターンA、B、Cとその変化形をやってみるだけになりがちで、そうならない為には、なったとしてもそのアクションを生かすためには映画全体とアクションを有機的に結合して考えるバランス感覚が必要。
トニー・ギルロイにはそれがないのか?ラストのマニラ市街(実際にマニラで撮ってるかどうかは不明)でのアクションがダメなんだよなあ。やはりアジアの都市で撮るというのは、勝手が違うから思う存分できないのか。
もちろん現場的サイドではいろいろ新しい挑戦もやっているのだろうけれど、「あとは派手な追っかけっこやっておけばいいだろう」という制作者側の認識の甘さが根本的にあるのではないか。

具体的には、あのバンコクから来た殺し屋、なんだよあいつ!
いや、役者を責めてるんじゃないよ。歩いたりする描写がフツーだってば。
ジェレミー・レナーより能力が上のはずなのに、せいぜい互角だし。
無駄に派手な動きして目立っちゃうし。頭を使った捜索活動的なこともやってないし、「意表をつく」こともしないし。
ひょっとしたら欧米人はあの人から不気味な雰囲気を感じるのかしら。
やってる事がマッチョなアクション映画のキャラクターと変わらないよ。
マッチョなアクション映画とは一線を画すのがこのボーン・シリーズのはずなんだがなあ。
このままフツーのアクション描写の映画シリーズになったらいやだなあ。

音楽はジェームズ・ニュートン・ハワード。オープニングで前シリーズのテーマ曲が流れたので、おっと思ったけど、あれれ、そうか。また記憶に残らなそうな曲を書きますねえ。
それが悪いとは言わないけれど、なんでだよ〜!ジョン・パウエルでいいじゃ〜ん!



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