2015年10月30日金曜日

HOLGA 120 3D STEREO CAMERA 同期テスト

先日の記述でHOLGA 120 3Dカメラについて書きました。
ゆっくりシャッターボタンを押すと、ステレオカメラなのに同期できていないのがわかる、と。
では、どれくらいズレるのか?ゆっくり押すと大きくズレるなら、速く押せばズレは少ない。
それは分かるんだけど、どれくらいの速さで…いや、シャッターボタンを押す速さを計るのは難しいから、いつも通り普通にシャッターボタンを押す速さでどれくらいズレるのか、調べてみよう。

高速撮影できるカメラで、左右のシャッターの瞬間を撮ればいいのだな。
おそらく、シャッターとストロボはそれなりに同期しているだろうから、ストロボの光る瞬間を撮るのが分かりやすくていいかな。左右でストロボの色を変えれば分かりやすくていいかな。

最初、正面から撮ったのですが、ストロボの光をモロに撮影カメラが受けると、同期してるかどうかよくわからない、普通に同期してるじゃん、ぐらいにも見える。
背面から撮ってみよう。白い紙にストロボを当てるから、あんまり明るい環境でも判別しにくい?暗い環境だと撮影カメラの感度が上がって判別しにくい?(120fpsで撮れるカメラはソニーのアクションカメラしかないので)
左右のストロボの間に仕切りを立てると判別しやすくていいかな、とか色々考えたけど、必要なかった。カメラの後ろにもストロボの光が投射されるのね。

テストの結果。おおむね1/60秒程度の差が左右でありますね。
この後、レリーズを使って同じテストをしたけれど差も同じくらいだったので、そちらの動画は編集してません。

もっと速くシャッターボタンを押せば差も小さくなるけれど、あんまり現実的じゃないような。どうしてもという時は頑張ってみるけど。
アップした動画の4回目が、やや差が小さいですね。1/70秒ぐらい?
以上を勘案して撮影に向かいましょう!

カメラの後ろにもストロボの光が投射される…という事は、後ろに銀紙でも貼っておくと正面の光が少しは強くなるかな。


2015年10月19日月曜日

HOLGA 120 3D STEREO CAMERA

香港直輸入!Holga Direct からHOLGA 120 3D STEREO CAMERAを買いました。
http://shop.holgadirect.com/collections/holga-120-cameras/products/holga-120-3d-stereo-camera


いや実は、買ったのはけっこう以前なんだけど、いじってみたらステレオカメラなのにシャッターが同期しない事に気付いたのです。
ゆっくりシャッターボタンを押すと、まず片側がシャッター切れて、さらに押すともう片方のシャッターが切れる。普通に一気にシャッターボタン押すぶんには、だいたい大丈夫なんだろうけど。
それでテンション下がっちゃって、ずっと使わないでいたのですが、思うところありまして、使ってみる事にしたのです。

たぶん、ストロボが二つ付いてるのは同期しないのが分かっているから、確実にストロボの光を写真に入れるためなのでしょう。
ひとつだけだと、タイミングが合わなかったら片方の写真にしか光が入らないので。
更に、どうせストロボをふたつ付けるんだったら、それぞれ色を変えられるようにしよう、という遊び心…。


フィルム室のフタを止めるための金具に、ストラップをかける穴がありまして、
本来この金具はフタが閉じた状態から下にスライドさせて、フタが外れるようになるだけなのですが、
困ったことに上にもスライドできて、金具がカメラから外れてしまうのです。もしストラップをかけてぶら下げていたら、重みで金具が外れてフタがぱっくり開いてしまう!

まあ、ストラップ使わなければいいんだけど。
どのみちはずみで外れるのがいやだから、金具をテープで止めますけれどね。
反対側の金具は正常で、上にはスライドできません。ほんのちょっとした引っ掛かりだと思う。

上のリンク先サイトの「Specs」では露出がf8と11の2段階という記述ですが、それは間違いです。たぶんf8だけ。
他のHOLGAカメラだとシボリを変えるスイッチが、NとB (ノーマルとバルブ) にしかならないので。

まあ、HOLGAカメラは色々細かいバージョンがあるようなので、上のリンク先ページができた時はそういう仕様だったのか、あるいは今現在と僕のカメラとで仕様が違うのかも知れませんが。
それと、上のリンク先では12ショット撮れるとありますが、2枚ひと組のステレオなので6ショットです。この制限は変わらないと思う。

専用のビューワとレリーズもセットで買いました。
ビューワは6×6フィルム2枚を専用ホルダーに入れてみるものです。でかいビューワだ!

専用レリーズじゃないとダメなのかな〜と思ったけど、全然そんなことなかった!これは他の、通常HOLGAの専用レリーズなのだな。このカメラには必要のないオプションが付いてる…。普通のレリーズで使えます。


普通のネジ込みレリーズでOKだけれど、ピンの長さには注意が必要。先端のピンが短いと片方しかシャッターが切れないので。自分の普段のレリーズが先端の短いタイプだったので、失敗した〜。(やはり専用か?)

下北沢のライブスペース、アーティストにLee&Junのライブを見に行って、ついでにテスト撮影。
中判フィルムを読み込めるスキャナがないので、ライトボックスに乗せてデジカメで接写しました。
手前がJun氏、奥がLee氏です。平行法

色はさすがに、肉眼でフィルムを見た方がきれいですけど、明るさはこんなもんかな。
フィルムはISO100のフジカラーVelvia
シャッターが1/100秒でf8とすると、さもありなんと言いますか、なかなか弱いストロボですね〜。
手前のJunさんまでの距離は、せいぜい1m強ぐらい。1.5mもあったかなあ。(そんな広いスペースじゃなかった)
ステレオベースは7cm
ストロボ的に1.5mぐらいの距離がベストというのは、ステレオベース7cmのカメラとしてはちょっと近すぎるかな、と思ったけど、実際にビューワで見たら丁度いいような。
それでも外部ストロボが使えないのにこの光の弱さはいただけませんね。単三電池4本入れるのに。

ちなみにこちらは、お店の外で階段に座ってもらって撮ったのだけれど、ストロボ使ったのに、暗くてさっぱりわかりませんね〜。3mぐらい離れてたかな。フィルムそのままなので交差法です。

フィルムそのままとは言っても専用ビューワ用のホルダーに入れてます。入れて見て気付いた。これ、交差法じゃん。そうだよね。今までnimlsoなどで撮ったフィルムも交差法だった。
じゃあこのフィルムを切って、左右入れ替えてホルダーに入れるのだな。でも微妙にそれをやりにくいホルダーなんだよなあ。

簡単に重ね撮りできるので、やってみました。簡単にできると言うか、フィルムを巻かなくても撮れるので、注意しないと重ね撮りになってしまう。
アーティストのハロウィンちょうちんとLee氏。平行法

もっといろいろ考えれば、立体写真の重ね撮りというのは面白いかも知れませんね。

レンズの歪み具合と「無駄に撮れてしまう」部分の検証

悪くない、全然悪くないですね。むしろ優等生かも。
ただ、右と左の明るさの違いでちらつきがでてしまうのは…デジカメで接写した時にそうなったのかも知れないので、まだ今後の検証待ちですね。PCでそこそこ補正できるし。

結論と言いますか、
HOLGA 120 3D STEREO CAMERAの有効な使用方法、と言いますか…
1. 昼間、外で撮る。
2. 長時間露光で撮る。ハロウィンちょうちんは1秒ぐらいの露光時間で撮りました。
3. 重ね撮りをする。ISO100のフィルム、被写体までの距離1.5mぐらいで、メインの光が内蔵ストロボだったら、3回重ね撮りしても明るすぎはしないと思う。

アマゾンを見ると120フィルムは5本で4000円ぐらいしますねえ。
現像代が近所の55ステーションで894円でした。うむむむむ。リバーサルだからちょっと高いような。
フィルムが1本800円とすると、現像代も込みで1本あたり1694円、1本につき6テイクだから…
ワンテイク282円!なんて贅沢な!

ビューワを使った中判ポジフィルム鑑賞は確かに、今までの写真鑑賞とは違いますね〜。しかもステレオ。はまっちゃう人がいるのも分かる。
まあ言っちゃなんだけど、これでもっとクリアに撮れるカメラだったら、感激も更に上なんだろうな、と思うのです。
HOLGAがクリアじゃないからダメだという訳ではなく、いやそういう訳なのかも知れないけど、これがもっと高級な中判カメラだったらもっと凄いんだろうなあ、と。



アマゾンでは現状、ビューワとセットで売ってないみたい。
専用レリーズにこだわらなければ、香港からセットで買わなくても、アマゾンでバラで買ってもそんなに高くはならないような。



白黒フィルムの方が安いぞ

でも多重露光はカラーの方が面白いような。
リバーサルじゃなくても、カラーネガでもあんまり安くないなあ


2015年10月1日木曜日

STEREO GRAPHIC カメラ入手 記述2

前回の記述で、STEREO GRAPHIC カメラの
・ふたつのレンズの歪みの違いが大きいこと
・撮った画像の1/4ぐらい無駄になること
を書きましたが、それってひょっとして、立体写真としてより効果的にするために、そのように設計されてるのかしら。
左画像の左側、右画像の右側…


この手法は、レンズひとつで360度パノラマ立体画像を制作する時に応用したのですが
(このブログ2014.5.25の記述)
レンズふたつでこれをやってるとしたら「ステレオ執念」的なものを感じますな。
実際の事情はわかりませんけど。

STEREO GRAPHICカメラはステレオベースが70mm。
レンズがきっちり平行にセットされていたら左右の画像の撮れる範囲は70mmしか違わないはずだけど、もっと違いがあるという事は、やや傾けてセットされてるのか、あるいはレンズの中心とフィルム感光面の中心がちがうのか。

STEREO GRAPHICカメラでテスト撮影した画像をもうひとつ。
平行法

上の写真の、カメラから手前の花までが2m程度。
まあ普通に効果のある距離だけど、背景まで見ると、けっこう立体効果があるような気がする。
左右の歪みのおかげでしょうか。
まあそれでも、ちらちらするのが気になりますけど。

じゃあ、もっと距離が遠い場合でも立体効果があるのか?
STEREO GRAPHICカメラはバルブ撮影もできるので、夜中に歩道橋から車が走ってるのを撮ってみました。
たまたまパトカーが通ったので、赤い軌跡が撮れました。
カメラから軌跡までの近いところでの距離は…7mぐらい?
平行法

ステレオベース70mmだから、それによる立体感はほとんど得られないはずなんだけど、レンズの歪みのおかげで…左右が違っているので…これは立体感なのか?
立体に見える?見える?

STEREO GRAPHIC カメラ入手

知人からフィルムカメラをいくつか譲り受けたのですが、その中にこの STEREO GRAPHIC がありました。

おー、なんかクラシックカメラっぽい!通好みのステレオ写真が撮れるっぽい!
ワタクシはnimslo 3D以降の多眼フィルムカメラには凝ってますが、それ以前の普通の(?)ステレオカメラについてはあまり知らないのです。
こういうクラシカルな外観には惹かれるのですが、多眼に慣れてしまったので、そんなにお金を払ってまで2眼を買うのもなんだかなあ。
それが今回は格安で入手できたので…そうなのかな?このカメラについてよく知らないからなあ。
どうやら1950年代のカメラみたいです。この個体が作られたのは何年なのかわかりませんが。

ともあれ、撮るために手に入れたのだ、撮ってみよう!
フィルムは普通の35mmフィルムを使うもので、フィルムの装填はまあ普通ですね。
前面中央にあるのが絞りダイヤル。

シャッター速度は1/50秒のみ。いや、バルブ撮影もできる!

シャッターボタンの同心円のツマミ「B」だとバルブ撮影です。「I」は何の略だろう、まあ普通に撮影するモードですね。
RとLは、Rにしてボタンを押し下げるとフィルムを巻き戻しできます。
中央の「数字と目盛り」はフィルムカウンターです。黒い部分を押し下げると任意の位置に設定できて、撮ってフィルムを巻くと、数字が減るように目盛りが動きます。
というような事が、いじったり調べたりして分かりました。シンプルですね〜。
残念な事に、ストロボは現在の規格ではないので使えません。昔の、いちいち電球?を入れ替えるタイプが装着できるようです。試しに今持っているストロボを挿そうとしたけどできなかった。

予想された問題点。
現像されたフィルムをスキャナーにセットするために、切らなければならないけれど、切ってしまうとステレオのペアが別々に分かれてしまう場合がある。
NimsloやNishikaと違って、ステレオペアの間に別のテイクが入るのですね。そうしないとフィルムもったいなさすぎ。
で、本来ペアなのに別々のフィルム片に分かれてしまうと、別々にスキャンするので色・明るさの補正が変わってしまうのですね。
たとえばこのように

1テイク目と2テイク目は同じフィルム片におさまったけど、3テイク目と4テイク目は分かれてしまった。特に3テイク目が、違う補正になってるのがわかると思います。
それをまたPCソフトで同じように補正するのが面倒臭いな、と。
やればいいんだけど、「同じように」のレベルをどこまで詰めるかでけっこう面倒な気がして。
ちなみにスキャナーのドライバソフトでマニュアル補正もできるので、同じ補正値で読み込めばいいんだけど、やってみるとそれもけっこう面倒なので、補正オートで読み込みたいのです。
ちなみに、フィルムが感光せずに真っ黒な部分があるのは、カメラの構造上、最初と最後にふたコマそういう部分ができてしまうのです。

でもまあ、補正を片方にあわせてやり直す事は、やってみたらそんなに面倒でもなかった。あんまり神経質にならなければね。
(どのみち、写真として見栄えよくするために両方とも補正はするのだ。ただ、その前の準備段階が面倒かな〜と)

予想してなかった問題点。
正方形に近い画像フォーマット、と思いきやステレオ写真としては1/4ぐらいが無駄になってしまいますね。

Nimslo、Nishikaで縦長写真ばっかり撮ってるから、正方形で撮るのは趣が変わっていいかな〜と思ってただけに残念です。
そして、左右での歪みの違いも大きいですねえ。なんだこりゃ!
STEREO GRAPHICカメラは右と左でピントが違ってて、両方で広い範囲のピントをカバーする、という話を聞いたけど、ピントの違いよりも歪みの違いが大きくて、うむむ、GIFアニマーとしてはいただけませんね。まあ、面白い表現につながる可能性もありますが。
更に、片方の画像に電柱がダブってるのがわかるとおもいます。なんなんですかねえ…。この「ダブリ」は他のテイクでも同様にあるので、カメラの不備?だと思います。ていうか、ステレオ写真じゃなければかっこいいんだけどねえ。

平行法で立体視できます。

周辺光量落ち(画像の四隅が暗くなる)は、普通のトイカメラなら魅力にもなるけど、この場合は片方の画像で「隅」でも、もう片方は隅じゃないので…
更に歪みも激しいので、立体視すると「ちらちら感」が半端ないですね。うむむむ。
「ダブり」もあって「ガラス越し」感が…魅力?

記述2につづく