「ライラの冒険 黄金の羅針盤」
The Golden Compass
2007年 アメリカ映画
だいたいにおいて、最近の"剣と魔法のファンタジー"系の映画はあまりそそらないのです。
CGに頼り過ぎる表現がいかんのですかね。
それでも「ロード・オブ・ザ・リング」シリーズは見たし、ハリーポッターも一作目は劇場で見て、後はDVDでぽろぽろ見てる。
でも他はそそらないんだなあ。
特にティーンエイジャーが出てると、制作者サイドのえげつない押し付けが見えるようで。
子供が出てると何らかの"成長"が要素になって、それは理想の押し付けになってしまう。
きっぱり分かれた善と悪だとか、 行動する勇気が世界を救うだとか、もうそんなお題目には辟易してるのに。
作ってる方としては押し付けのつもりではなくて、売れる映画を作りたいだけなのだろうけれど、
まずアメリカ的に無難な思想を軸にして
後は派手なCGでデコレーションすれば
幼稚な脚本でもそれなりの映画になるだろう
という姿勢を感じてしまう。予告編でそう思えてしまい、見る気がなくなってしまう。
でも「ライラの冒険」の予告編は、そう簡単に善悪分けてもいないようだし、単純な世界観でもなさそうだし、サム・エリオットも出てるし、これはあんちょくファンタジー映画とは違うんじゃないか?
そう思ったので、映画館に行きました。
フツーのあんちょく映画でしたね。
いい役者もいっぱい出てるんだけど、脚本がかなりダメじゃないか。
ライラがぼやっとしててもイベントやキャラクターの方からやってきてくれる。
定番キャラクターに出会うのも簡単だし、定番キャラだけあって定番以外の事をやらない。だから映画の新しい刺激にならないし、映画を特異なものにしてくれない。
原作読んでないけれど、本来、パラレルワールドを題材にした特異な作品なのに、制作者側に特異な映画を作る意識がなかったようだ。
ありふれた戦闘シーンなんかをヤマ場にしてるから、本来あるはずのオリジナルな要素、この映画のみが描ける世界やテーマがすっかりかすんでしまっている。
映画を見ていて、あの世界をもっと知りたいという欲求が湧かない。
あっさり受け取った黄金の羅針盤も労せずに使えるし。
そのぶん成長がないから押し付けも少ないけど。
羅針盤から見られるきらびやかなCGもいかん。
あれでは羅針盤を操作する危険性や恐さがない。って原作読んでないけど。
そういった事をふまえて、お気楽ファンタジー映画だと思って見ればそれなりに楽しめる。わりと奥の深い映画、とさえ感じるかも知れない。
大物小物のデザインもかっこいいし、乗り物もたくさん出てくるし。
飛行船もいいけれど、あの気球もいいなあ、乗ってみたい!きっと恐いぞー。
CGの白クマかっこいいですね。
バトルは例によって重量感がないからいまいちですけど。
お、デレク「ジャッカルの日」ジャコビ発見。貫禄つきましたな〜。
サム・エリオットやはりいいね〜。しかしかっこつける以外の事をしませんね〜。
トム「将軍たちの夜」コートネイだ!久しぶりすぎでちょっとわかりませんでした!神経質そうなちょい小物悪役をやってます。ふへ〜。
音楽、特にエンドクレジットがよかったけど、パンフレット買わないので作曲者の名前が分かりません。
公式サイトhttp://lyra.gyao.jp/見ても音楽担当の名前がありませんね。そんな扱い?
音楽作曲はアレクサンドル・デプラでした。
う〜ん、知らないひと。
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