2008年11月3日月曜日

映画「センター・オブ・ジ・アース 3D」journey to the center of the earth 3d

於イオンシネマ越谷レイクタウン

アナグリフ(赤青セロファン)ではなく、液晶シャッターメガネを利用した3Dです。
なるほどアナグリフとは画像の美しさも立体効果も段違い。
映画が始まる前に係員が「このメガネは液晶になっていて中に電池が入っています。まれに電池が切れている場合があります。映画を見て立体に見えなかったらお申し出下さい」
…映画はじまったらどうやって申し出るんだ〜!
(土曜日でサービスデーだったので、ほぼ満席に近い混み具合)
でもまあそりゃまあ、立体に見えなかったらくやしいもんね。たとえひんしゅくでも人の前を通って申し出に行かないと。
幸いにしてそんな事態にはなりませんでしたが。

プラスチックフレームのメガネが僕にはきつくて、ちょっとつらかったです。こめかみにミシミシきます。
この点は紙メガネのアナグリフ方式の方が頭骨にやさしいですね。

「センター・オブ・ジ・アース 3D」
Journey to the center of the earth 3D
2008年 アメリカ映画
監督エリック・ブレヴィグ

ストーリィまあ、適当ですね。地底に行ったら太古の生物が住む仰天世界でした。
わかりやすい。
基本となる設定からして科学的裏付けのない、想像力のみの産物だから、細かいところも雑でいいだろうと映画製作者が思ってしまうというのはありそうな事だし、加えて、わかりやすいのがファミリー向け映画、過度に怖くないのがファミリー向け映画、そんなふうにも作られてもいる。
もっとも、最初からそんなものだろうと思って期待しないで見たので、わりと楽しめた気がしますが。

地底世界のロケーションが1959年の映画「地底探検」とほぼ同じなので新鮮味に欠ける。
いや、どちらもジュール・ベルヌの原作からあまり逸脱しないようにしてるのだろうから、似てしまうのでしょう。
知らなかったけれど、2000年にも映画が作られてるんですね。「地底探検〜完全版」ジョージ・ミラー監督で主演がトリート・ウィリアムズって懐かしいなあ。
これが原作とはかなりもの違うらしいので、今度の2008年版は原作に近くして、3Dのビジュアル面を楽しんでもらおう、という事なのかな。

3Dによる立体効果はそれなりにあったけれど、この程度ならもっと、節操ないくらいに立体してもらいたい。
せっかくシンプルなストーリィなんだから、アトラクション映画として開き直ってくれないと。

この映画は3D版と通常の2D版があって、3Dはすべて日本語吹き替えになってます。字幕に注目させないように、かな。
しかし声優の貧弱さが、この映画最大の難点でした。
主要キャラの3人ともあまりよくないんだけれど、いや、ガキんちょとおねいさんはまだマシとして、ブレンダン・フレイザーが演じるトレバー役の声、なんだよこれ。
もともとブレンダン・フレイザーのキャラクターは「ハムナプトラ」シリーズなどでも、すっとぼけてて茶目っ気があって、行動が短絡的でも愛嬌があるから許せてしまう、考えずに行動してそれがうまくいっても違和感がない、といったもので、この映画では科学者役だから専門知識が頼りになったりするけれど、基本的には同じ。
それなのに声がこんな、さわやか棒読みな普通テンションでいいの?
あるいはブレンダン・フレイザーの生の声もこんなテンションなのかも知れないけれど、だからってそのままやるなんて。ファミリー向けアドベンチャー映画なんだから、もっとオーバーアクションしないと。
会話の魅力が半減して、映画の魅力も半減しましたね。いや四半分にはなったかな。損害賠償モノですよ。
声をあててるのは沢村一樹って僕は知らないけれど、いっぱしの俳優さんみたい。なんでこんな事になったのかね。誰も止めなかったのかな。
でも沢村一樹のファンなら見に行った方がいいでしょう。DVDでは別の人の声になってるかも。

本来、この映画の評価できる点はふたつ。
ひとつは、よくできた美しいVFX。
ただ、ファミリー向けの3D映画ということを意識したせいか、先鋭さの感じられないもので、職人仕事としてはよくできているのだろうけれど、強く印象に残るものとは言えない。
もうひとつはキャラクターとそのかけあい・喋りのはずなのだが、残念ながら吹き替えによってズタボロにされてしまった。

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