2010年7月15日木曜日

映画「グリーン・ゾーン」green zone

於TOHOシネマズ西新井
見たの5月ですけどね。

GREEN ZONE
2010年 アメリカ映画
監督 ポール・グリーングラス

最高しびれた傑作「ボーン・アルティメイタム」のコンビ、マット・デイモンとP・グリーングラスの新作とあっては期待大!
米軍進行数週間後のバクダッドを舞台にしているけれど、政治的な内容ではなくてエンタテイメントであるっていう話しは聞いてた。
エンタテイメント大いに結構じゃない!
どんどんやってくれ!

と思って見たのだが、
う〜ん、及第点はあげられるし、それなりに緊張感と迫力はあるけれど。
そもそも「イラクに大量破壊兵器はなかったけど、アメリカが言い掛かりつけて進攻した」というのはもうすでに定説になってるので、
大量破壊兵器の存在を信じて頑張る熱血漢が、じわじわと裏のカラクリを知る…
なんていう役どころをマット・デイモンが演じてても、あまりリアルな感触がない。
もちろん実際にそう思っていた人はいっぱいいたろうけれど、
なにしろマット・デイモンゆうたら、「ボーン・アルティメイタム」では、裏の世界を知りつくしていながら自分の事がわからない、そんな役をやってますからね。
大量破壊兵器がどうだこうだなんてさっさと見切りをつけて別のレベルに行って欲しかった。
行ってるつもりなのかも知れないけれど、まだまだ甘い。目に見える悪役と対峙するために、大量破壊兵器にこだわるシナリオになっている。
どうせ政治的な要素を含むんだったら、もっとドロドロしてよかったのではないか。
2回見たけどよくわからない、とか言われるくらい混沌としてる方が娯楽映画としても面白いと思うんだがなあ。

それとも、さすがにグリーングラスと言えども、ハリウッド資本で、イラクのリアルっぽい映画、アメリカ軍が不透明に暗躍する映画は作りにくいのですかね。

映画の重要事項に、イラクの将軍をどうするのか、誰に殺させるのか、がある。
その時イラク人の青年が、イラク人民を代弁するような台詞を吐くけれど、それもなんだかシナリオライターに都合のいい展開にしか見えない。

特殊部隊の男が言うなれば悪い奴なんだけど「任務を実行してるアメリカ軍兵士だし、それをマットデイモンには殺させられないよなあ」じゃあどうする?とりあえず体当たりさせておいて、殺すのは別の流れ弾、ってこれまたシナリオライターの常套手段。

リアル路線のアクション映画じゃなければ、さほど不満にはならないはずなんだけど。
実はそんなにリアルじゃない、という事なのか。
「ボーン・アルティメイタム」を見てなければ、それなりに楽しめたかも知れないなあ。

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