2012年6月14日木曜日

映画「キラー・エリート」killer elite

やはりペキンパーの映画とは関係ないようで。

於TOHOシネマズ西新井

The Killer Elite
2011年アメリカ映画
監督 ゲイリー・マッケンドリー

なんで80年代なんだろうと思っていたら、そういう事情か。石油の利権を英国が狙ってSASがらみで、という話なら80年代かなあ。実録かもっていう事で原作が話題になったらしいし。
でも原作はどうあれ、現在に改変してほしかったなあ。だって、ジェイソン・ステイサムって80年代じゃないでしょう。80年代にこんなヤツいたか?

そりゃまあ、ジェイソン・ステイサムのファンですから、なんんでもいいんですけど、80年代って言われるとますます時空を超えた存在になってしまう気がする。
決め台詞の言いまわしとか、まったくいつも通りで、またこんな役か、と思いながらもやっぱりかっこいい。
なんとなく、ジェイソン・ステイサムには今を生きて欲しいのかな。

それはいいんです。
ジェイソン・ステイサムはいつも通りにかっこいいんです。それ以上は期待しません。
デ・ニーロもまあよかった。ラスト、ぶつくさ言いながら札束を懐に入れるあたりはおいしい役どころだよね。
しかし何より、誰よりもクライヴ・オーウェンですよ!
いや、前からクライヴ・オーウェン好きでしたけどね。今回もクライヴ・オーウェンが出てるという事でウヒウヒしてたんですけど、見る前のウヒウヒを上回る陶酔を得られました。
たまんないね〜、この人。
ジェイソン・ステイサムやデ・ニーロはまあ、普通のキャラクター。感情面や行動原則はすんなり受け入れられる。
それだけに仲間のドミニク・パーセル(誰かあのモミアゲなんとかして)やエイダン・ヤング(メガネ男)の曲者っぷりも光る、大丈夫かよと思いつつリアルな感触で引っ張られるのだが、やはり敵役がより重要、それがクライヴ・オーウェンとあっては誰もかなわない。物腰、顔つき、たたずまいから半廃人っぷりがにじみ出ている。痺れます!
まずいね、こんな人にアクション映画に出られたらヘロヘロになっちゃいます。

だから中盤の、病院での殴り合い、もうちょっと時間を短く、派手さを抑えてほしかったなあ。
ジェイソン・ステイサムが「動」のアクションであるのに対して、クライヴ・オーウェンは「静」のアクションであってほしい、それが似合うと思うんです。

全体的にアクションは派手目だけど(今の基準で言うと普通かな)、設定やその他の描写は渋めでいいです。
元SASの実業家たちが秘密組織を組んで、汚い仕事をする実行部隊をやはり元SASからスカウトする。スカウトされる側は戦争から離れると自分の身の置き所がないから…なんて事はありそうじゃないですか。
それらをリアリティをもって受け入れられる描写がいい。
映画が進むごとに、視点や事情が変わってくる、見えなかった事情が見えてきて、よりリアルに感じられるようになる。いい映画だ〜。

非欧米人の自分としては、アラブの民族的・文化的な描写が紋切り型なのがちょっと不満だけど、それはしゃあないかな。

本来ならドミニク・パーセルあたりが強い印象を残すはずなんだけど、なにしろクライヴ・オーウェンでしかもこんな役、オレは大満足だ〜。



4 件のコメント:

kyao さんのコメント...

最近のアメリカ映画のタフガイはジェイソン・ステイサム一色になってる気がします
実際彼の力強さには圧倒されます

今回は白装束の忍者じゃ無くてアラブかあ
東西崩壊の後アメリカはやっぱり仮想敵国選びに苦労してるのかなあ

yoshinaga hiroshi さんのコメント...

kayoさん、ご無沙汰してます。コメント放置ですみません。
最近、あんまりブログに映画ネタ書いてないし。

アクション映画の主演俳優ってのは、「強そう」なだけじゃなくて「抜け目ない」感じが必要ですよね。
危険な状況になるとカンがビンビン働いて、それがウソっぽくないような。
その点でもジェイソン・ステイサム、いいですよね〜。

kyao さんのコメント...

ご無沙汰してます。
実際ジェイソン・ステイサムはデニーロより存在感ありました。デニーロほどの俳優が食われた気がします。


アラブが敵とか言っちゃいましたけど当面の敵はイギリスの工作員でしたね。時代設定も80年代でした。意味不明な事書いちゃってごめんなさい。

yoshinaga hiroshi さんのコメント...

デ・ニーロは脇役ですからね〜。年齢も年齢なので、すべての作品に全力投球はしないのでしょう。
僕はあれくらいで丁度いいと思いました。でも、もうちょっとクセがあってもいいかな。

最近、原作小説を読んだのですが、
原作にはテ・ニーロにあたる人物はいません。
主人公を少しでも人情味のある人物にしたくて「友人が誘拐されて仕方なく」という事にしたのでしょう