2020年6月11日木曜日

Canon EOS 70D 2台をリモートケーブルで繋いで立体撮影 記述1 stereo shooting

キャノンのデジタルカメラにはリモート端子があって、たとえば7Dは円形に小さい穴三つの、なんか専用っぽい端子ですね。あるいはよくあるステレオ(サウンド用のステレオケーブル)ミニミニプラグを挿す端子を使用するカメラもあって、70Dがそうだし、たぶんPoweShotもわりとそのタイプだと思う。
ステレオミニミニ、あるいはステレオマイクロとも言われてるプラグで、普通のステレオミニはスマホなんかで音楽聴く時に挿すあれです。ステレオマイクロはもっと細いのです。買う時は「2.5mm径の3極」で間違いないかと。ただのステレオ音楽を聴くだけなのが3極で、スマホで通話に使うようなのが4極らしいです。更にスマホだったら3.5mm径ですね。なのでまあ、キャノンの一部デジカメのリモートケーブルは「2.5mm径の3極」なのです。
で、ステレオマイクロを使用するカメラだと、そのケーブルで2台をつなげただけで、2台のカメラのシャッターを同時に作動させる事ができる、というのは立体撮影好きの間ではわりと知られた事なようです。片方のシャッターボタンを押すと、もう片方も同時に撮れてしまう。
とは言え「同時」ってどれくらい同時なのか、完全に同時ではなくて、多少の誤差はあるようで、それが立体撮影に許容できるかどうかは何を撮るかによりますねえ。人が普通にぼんやりしてるだけなら、まあ大丈夫。飛んでる虫の羽を同じタイミングで撮ったように見せるのは、ほぼ無理っぽい。たぶん。いやオレあんまり虫は撮らないけど、ストロボ撮影はよくやるので、ストロボの光を2台のカメラで捉えられるくらいには同期してもらいたい。
でもそれはカメラの機種にもよるみたいだから、そのためにもう一台同じカメラを買うというのは、賭けだよね。検索してそのカメラでそのシステムで立体撮影をしてる人がいればいいけど。おっとオレそのへんの検索もしないで買ってしまった。だって、アマゾンでEOS 70Dの中古、ボディのみで30800円だったのが、2日後にみたら27800円になってるんだもん、箱なし説明書なしバッテリーなしで端子カバーに切り込み有りだけど状態はとてもいいとか。ああこれ、このタイミングで買った方がいいんじゃないか!ぽちっとしとけ!5パーセントのキャッシュレス還元もあるし!いや新型コロナで収入減だってのに困りますね!

実は以前に、知人の70Dを短時間借りて、自分の70Dとステレオマイクロケーブルで繋げて、ストロボの光を撮れるかどうか、同期のテストしてみた事があって、このブログにも書いてあるんです。(このブログ2018.3.28の記述)
それによると、タイミングにはバラつきがあって、ストロボの光を撮れるかどうか平均すると半分ぐらいらしい、更なる検証が必要だってさ。
その時はイベントの準備の最中で、ほんと10分ぐらい借りただけだし、2台のレンズも違うし、もっとじっくりテストをして、たとえスローシャッターになってもストロボの光さえタイミング合えば実用できるはず、たとえば、どちらかのカメラが必ず遅いのならシャッター速度1/5秒にしてそっちのストロボを先幕シンクロで光らせればよいのではないか?とかなんとか都合良く思う事にして、2台目の70Dを購入に至ったのです。70Dは7年ぐらい前に発売されたカメラかな。当時ボディだけでいくらだったかなあ。十数万?

2台の70Dのリモート端子をつないでシャッターが同期するかどうか、テスト、テスト!
まずは平バー1本に2台の70Dを乗せたシンプルなリグ。ファームウェアのバージョンはどちらも1.1.1で、各種設定も同じ。ストロボは内蔵よりも自分は外付け他社製を使用する事が多いので、更にYONGNUOワイヤレストリガーRF603CIIを介してのテスト。スロトボ本体はViltrox JY610II

レンズもふたつ同じ物をつけました。HOLGA HL-C ふたつ持ってたから!
(このブログ2012.9.24 HOLGA HL-Cについての記述)

HOLGA HL-Cの素晴らしいところは、カメラと電気的な接点がないので、シャッターに何の影響も及ぼさないであろう点。シャッター同期のテストにはぴったりじゃないですか。
基本的に右を親機(シャッターボタンを押す機)にして、左を子機に。左のシャッターボタン押しにくいから。ストロボは親機にシンクロさせて様子をみる。あまりに子機とストロボがシンクロしないようだったら替えてみようかと。とりあえず親機を新70D(中古だけどかなり状態はいい)、子機を旧70Dにして、テストを繰り返す。

箪笥に白いテープを縦に貼ってそれを撮る。シャッターは上下に動くらしいので、縦に目立つ線があると微妙にストロボの光が撮れてない「惜しい」具合がわかりやすいかと思って。
子機で撮ったサンプル写真↓の「NGテイク」と「NGだけど使うかも」が惜しいヤツです。「まるっきりNG」はまったくストロボの光とシャッターが合ってないのですね。
画像が暗いのはHOLGA HL-Cが暗いレンズだからです。
先が尖ってる白ラインもあるのは、上下を分かりやすくするために。上下がわかりやすいと、後述するリグで「この画像は親機だっけ子機だっけ」と悩まなくてすむからです。実際には、ストロボがシンクロするに決まってる親機の画像をチェックする必要はないから、親機からSDカードを出さなくてもよかったんだ…

最初のうちは「LV静音撮影-なし」にしないと液晶モニター使用時に他社製ストロボが光らないのを忘れていて、あれ〜、なんで光らないんだろう、液晶モニターオフなら光るぞ、まあいいか、てな感じでテストしてた。
シャッター速度1/100秒で100枚撮って6枚NG。
シャッター速度1/30秒で100枚撮って7枚NG。
もっとスローシャッターにしてもあまり変わらなかった。
内蔵ストロボで後幕シンクロにしてみたら20枚中15枚NGなのでそれはやめた。

リグを組んでみた。できるだけステレオベース(左右のレンズ中心間の距離)が狭くなるように。
ちなみにこれでステレオベースは12cm。
たぶんこのスタイルで多く撮る事になると思う。子機が逆さになるので、同期精度が変わるかも知れないからこれもテストしないとね。
シャッター速度1/100秒で100枚撮って7枚NG
むううん。

後日、説明書を読み返して「LV静音撮影-なし」にするんだ、そうだっけ、またテストだ〜。
通常リグ(平バー1本、左右どちらも逆にならず)
シャッター速度1/100秒 液晶モニターONで100枚テスト すべてOK
すごい!100枚撮ってNGがない!
シャッター速度1/100秒 液晶モニターOFFで100枚テスト 7枚NG
ふむむ、もう一度、シャッター速度1/100秒 液晶モニターONで100枚テスト
すべてOK!

そもそも、1/100秒ぐらいの同期制度って高いと言えるのかというと、必ずしもそうでもない。ストロボを使わずに、鳥の羽ばたきとかくっきり見せたかったら、もうちょっと速いシャッター速度が要るのではないかな。
でもオレわりとストロボ使うから、1/100秒ならよしとしましょう。

連写モードがあるので、試しに連写してみた。低速連写モード。ストロボのパワーを落とせば続けて光ってくれるぞ。残念ながら最初の1枚しか同期しなかった。これは期待してなかったからまあいいや。おっと、カードが違うから書き込み速度が違うのか。これも後で検証しないと。

日をあけて今度は内蔵ストロボでテスト。
平バーリグ(左右とも逆にならず)
シャッター速度1/100秒 液晶モニターONで100枚テスト 1枚NG
同じ条件でモニターオフにしたら全然タイミングが合わない。

次は左を親機にして、でもストロボは右の子機で光らせる。
シャッター速度1/100秒 液晶モニターONで100枚テスト 0枚NG
同じ条件で液晶モニターオフ
シャッター速度1/100秒 で100枚テスト 11枚NG

なんだか内蔵ストロボの方が同期しにくい気がする。誤差の範囲か?
いずれにせよ内蔵ストロボはチャージに時間がかかるのでこういうテストには向いてませんね。以降はまた外付けストロボ、右親機でテスト。

ミラーアップして、液晶モニターオン/オフでテストもしてみたけど、これはどちらもあまりよくなかった。モニターオンの方がややマシかな。

左が上下逆になるステレオベース12cmのリグで
シャッター速度1/100秒 液晶モニターONで100枚テスト 0枚NG
シャッター速度1/100秒 液晶モニターOFFで50枚テスト 4枚NG
シャッター速度1/5秒 液晶モニターONで100枚テスト 0枚NG
片方が上下逆になってもほとんど影響ない様子。

素晴らしいじゃないですか。液晶モニターONならオレ的には実用的な同期精度と言えよう。

バッテリー残量が少なくなってきたので、両方ともフル充電のバッテリーに取り替えて、さあテスト続行。
あれれ?全然同期しなくなったぞ!NG率50%になってしまった。

バッテリーを左右で入れ替えたら多少マシになった。でもモニターOFFで5%がNG、モニターONで10%がNGというところか…このバッテリーの組み合わせはモニターOFFがいい?そんな事ってあるの?そんなの覚えてられるか!

バッテリーでカメラの同期精度が変わるの?そんな事ってあるの?

記述2につづく





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