1年ぐらい前の選挙の時期だったと思う、そういや今、野田市の人口ってどのくらいなんだろう?Wikipedia見ればわかるだろう。そう思って、Wikipediaで千葉県野田市を…あれ?福田村事件ってなんだこれ?知らないぞ。
関東大震災後の混乱の中、朝鮮人が日本人を殺して略奪しているとか噂が立ち、香川から来た薬の行商人を、標準語がうまく喋れないから朝鮮人だと人々が思い込み、猛り狂って虐殺してしまうという、まったくひどい話で、まったくの史実。
僕は千葉県野田市の福田地区…かつて福田村だったところで生まれ育ったのだけれど、全然知らなかった。齢五十を超えてWikipediaで知るとは!学校で習ったっけ?いや、1980年代まではこちらは黙殺状態だったようなので、学校では何も教えてないだろう。(今も学校で教えてるとは思えないけど)
Wikipediaによると、2000年に「福田村事件を心に刻む会」が設立されて新村勝雄がスピーチしてる。2000年ならオレもう大人じゃん。PCがインターネットに繋がってたけど、地元の情報を検索することはあまりなかったし、 ニュースになる事でもなかったかも知れない。
1年前のWikipediaと、ついさっき見たWikipediaではちょっと内容が違ってますね。現在の方が詳細に書かれて、背景も理解しやすい。1年前の文章も十分ショッキングではあったけど。
200人の群衆が集まって、警官(一人だけだったかな)が止めようとしたにもかかわらず虐殺が行われた、というのが1年前のWikipediaに書いてあったのだけど、今の記述では虐殺の途中で警察が何人か来てようやく止めた、という事になってて(警官が一旦現場を離れて虐殺が始まったという、今のWikipediaがより正確なのだと思う)、まあその違いはいいんだけど、僕が興味を持つのは、警官がやめろと言ってるのに、虐殺はよくないと分かっているのに(虐殺はよくないと思ってる人も200人の中には少なからずいたと思うのだが…)、なぜこんな事が起こるのか。いや、なぜ起こるではなく、なぜこんな心理になるか。それは説明されてわかると言えばわかる。今のWikipediaには背景情報のていねいな記述があって、ふむふむ、そういう事かとわかりやすい。しかし感覚としてはどうなのか。昔の人は情報がなかったからねえ、昔の人は差別意識を普通だと思ってたからねえ、そうなの?加害者にしろ、何もできずに傍観してた者にしろ、そうなってしまう世界の捉え方と積み重ねがあるはずで、それを多くの情報から再構成して感覚として知りたかった。その中世的な感覚に深い興味がある。中世的だけど場合によっては現代人もおちいる可能性がある、なんて言うと説教臭い。説教はさておくとしても、自分が知らない人々の感覚をリアルに捉えられ、それが恐ろしい地元の史実であるなら、益々興味深いですね。
映画「福田村事件」明日、9月1日公開です。
https://www.fukudamura1923.jp/
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