2009年3月3日火曜日

映画「ザ・クリーナー 消された殺人」cleaner

於銀座シネパトス

レニー・ハーリンというと、「ダイ・ハード2」とか「クリフハンガー」とか、その時代には売れっ子だったし、映像派として評価できないでもないけれど、どれもシナリオがロクなもんじゃなかった。
そして今や銀座シネパトスで封切りにまで凋落…そうだ、オレはその昔、銀座シネパトスで「プリズン」を見たっけ。これは原点に回帰ですね。

「ザ・クリーナー 消された殺人」
Cleaner
2007年 アメリカ映画
レニー・ハーリン監督

役者がいいですね。エド・ハリスにルイス・ガスマン。どちらも僕は久しぶりですが、エド・ハリス老けましたねえ。枯れ系になってきた。ルイス・ガスマンは歳をおうごとに強烈なお顔になってませんか。ロン・パールマンといい勝負できそうだ。
脚本もいいと思います。みなさん胸にいちもつスネに傷、皮をむくようにキャラクターの新しい面が現れてそれがストーリィの進行にもなる。僕が見たレニー・ハーリンの映画の中では、いちばんまともな脚本だと思います。

しかし演出は、むううん、まあそこそこ。スリラー映画らしくきっちり固めたスタイルにはしたくなかったのかも知れないけれど、じゃあどんな効果を求めているのかというのもはっきりしないですね。なんとなくよさげなカットをつなげただけという感じで、スリラー映画としての効果はさほどでもない。
やはりレニー・ハーリンにはアクション映画を作ってもらいたい。
この脚本ならカール・フランクリンあたりに監督してもらいたかった。

ラストにエド・ハリスとエヴァ・メンデス(ジーナ「ロングキス・グッドナイト」デイビスにちょっと似てますね。監督さんのシュミですか)の幸せそうな回想シーンがあるけれど、あれをもっと長く見せればいいのに、なんであんなちょこっとなの?
キャラクターの新しい面を見せる事で引っ張って行く映画だから、真犯人が動機を吐き出すシーンがいちばん強烈であるべきなのに、いちばんあっさりしてないか?
たとえ真犯人がもっと前からわかっていたとしても、キャラクターで見せる犯罪映画なのに、動機の描写が中途半端だなんて。
状況・仕掛け・謎の面白さで映画を作ればそれで充分だと思ってるのかな。

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