2008年9月19日金曜日

DVD「オリエント急行殺人事件」murder on the orient express

むか〜しテレビで見たっきりで、あまり覚えてないし、ポワロと言えばデビッド・スーシェかピーター・ユスチノフのイメージが強いですね。
でもまあ監督がシドニー・ルメットなので、もう一度大人の感覚で見てみたいなと。


「オリエント急行殺人事件」
Murder on the Orient Express
1974年 イギリス映画
監督 シドニー・ルメット

無駄にオールスターキャストの娯楽ドラマですな。
クリスティ映画はオールスターがお約束だから仕方がない。
S・ルメットの映画というよりプロデューサーの映画ですね。
普通の水準以上の映画にはなってるけれど、監督あまりする事なかったのではないかな。ただ演出のみというのも、それはそれで楽しそうだ。

アルバート・フィニーのポワロはどうなのよ?
喋り方もっと普通でよかったのでは?
変人っぷりは強調されるけど、あまり天才には見えない。
原語版よりも吹き替えをお勧めします、と言いたいところだが、古いテレビ放送の吹き替えを使用していて、ところどころカットされてる部分が別の声優の声になってて、これが結構こまかく入れ代わる。
同じショットで、同じアングルでポワロを映しているのに、声だけ入れ代わる。これがとても不自然で違和感ありあり。
テレビ放送でどれだけ細かくカットしているか分かるので、その点では興味深くもあるけれど、映画を鑑賞するのには無理があるよ〜。

長編推理小説を2時間の映画にするのも難しいですね。
キャラクターの背景や心情以外にも描かなければならない点が多いので、見てる方もなかなか忙しい。
ん?それってどういうコト?と思った頃にはもう別の人の供述になってて、あまりこだわらずに納得しよう、と思った頃には映画が終わっている。
ここまでして映画にする必要あるのかな、とさえ思ってしまう。
原作にこだわらなければいいのだけれど、そうもいかないんでしょうねえ。

クリスティの小説は、20年ぐらい前はかなり読んでました。ポワロものばっかり。
でもこれの原作は読んでません。
数年前、早川文庫の装丁が一新された時、久しぶりに一冊読んだけれど、やっぱり面白かったなあ。
映画を見るとメロドラマっぽさが目立ってしまうけれど、僕のイメージだともっとなにかこう、不思議なスリラーっぽいんだがなあ。

クリスティが亡くなってもうかなり経つのだし、生前、映画に何を求めてたのか知らないけれど、もっとリアリズム路線の渋い映画ができてもいいのではないかな。

さて今回ちらっと検索してみたら、デビッド・スーシェ主演のテレビシリーズ「名探偵ポワロ」第14シーズン「オリエント急行殺人事件」が2008年9月に放送されるって。(イギリスで、かな)
見たいね〜。

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