このブログ2022.6.15の記述「陽炎のごとく歪む3D-GIF これは10年前に買ったフラットベッドスキャナの不調なのか」の続きでもあります。
センサーが移動することにより画像が歪む、それはフラットベッドスキャナの構造的な欠点であり仕方ないものだとしたら、もっと高級なフラットベッドスキャナを買ってもあまり変わらないかもしれない。
フラットベッドではなくても、数万円以上のフィルム専用スキャナでも
これとか…Plustek OpticFilm 8200i Ai
センサーかフィルムが動いてスキャンするだろうから、同じ問題は発生するのではないか。
と言って、安物フィルムスキャナーを使用するのはそそらない。何度も引き合いに出して悪いけどサンワサプライのFILM SCANNER Proは、ノイズが多い、明るさが均一にならない、スキャンごとに微妙に角度が変わってしまう、JPEG圧縮のせいか美しくない、と言った問題があるので作品制作のためのスキャンには使いたくない。
歪みが問題なのだから、センサーが動いてスキャンするのではなく、ワンショットでするのがよかろうなあ。
JJCフィルムデジタイズアダプターを買いました。
以前に売ってたNikonの製品は、NikonのD850かD780だとネガポジ反転で撮れるから、という事だったようで。じゃあNikonじゃなくても使えたのかな。そんな安くもなかった気がするけど。
アマゾンにまだあった、Nikon ES-2
1万7千円か〜。光源ないみたいだし、「筒」の数が少ないと対応できるレンズとカメラの組み合わせも限られるだろうから、JJCでよかったと思うのだ。
果たして自分が持ってるカメラとレンズでばっちり撮れるかどうか、不安がないでもなかったけど、マクロレンズ何本か持ってるし、なんとかなるだろう、と。
ほら、JJCフィルムデジタイズアダプターは「筒」が多いでしょ。買ってから知ったんだけど。アマゾンの写真だと長いの1本だけかと思えるけど、実際には組み合わせて使うんだね。多様なレンズで使えるように。
「筒」の組み合わせで、フィルムにピントが合って、かつフレームに丁度よくおさまる距離を求めます。画像右の3つの輪は↑レンズのフィルター径に合わせるアダプターです。55mm用、62mm用、67mm用があります。説明書に日本語ないけど、イラストで充分わかります。僕のカメラ、Canon EOS 70D(APS-Cサイズセンサー)とSIGMA 105mm 2.8 DG MACROの組み合わせだと、こんな感じ、筒三つでばっちりの画角とピントになりました。
筒三本ぶんよりちょっと短いのですね。先端のユニットのネジをゆるめて長さや角度を調整します。nimsloで撮ったハーフサイズの画像1枚を高解像度で撮るには上の写真のようになります。ハーフではなく35mmフィルムの普通サイズを撮るには、ネジをゆるめて少し遠くします。このネジがちょっと頼りなくて、指先でしっかり絞めたのに、フィルムホルダーを動かすと普通に全体が動いてしまう、なんだこれ!
しゃーないからテープで止めるけど、それでも少しは動くから、撮影ごとにピントを調節して、角度は…PCで調整できるからあまり神経質にならなくていいか。神経質に撮影時に角度調節しても、結局その調節を確信できなくてPCでまた調節するだろうから。
撮影時はやっぱり、やっぱり、カメラでネガポジ反転できないと撮る時に適正露出わかりませんね。確かにそうだ。
一応、スマホにネガポジ反転できるカメラアプリ入れて、それで見ながら、スマホのカメラを通してなんとなくわからないでもないけど、そもそもそのアプリで適正露出になってるかわからんからなあ。
なので結局、以前にエプソンのスキャナーでデジタル化した画像を参考にして、このあたりが真っ暗になってればいいのだから、真っ白になってればいいんだよな…そんな感じでカメラの露出を決めました。これ、白黒だからまだいいけど、カラーだと職人芸が必要?
まあ、違うなと思ったらやり直せばいいんだけど、とにかくすごく時間がかかる。
エプソンのスキャナーみたいに、フィルムセットしてちょちょいと設定してワンアクションで4枚スキャンするのとえらい違いだ!
JJCフィルムデジタイズアダプター買うまでは「この手のやつって、取り込みは簡単なんだろうけど、取り込んでからGIF化するのは面倒だろうなあ」と思ってたけど、いやいや、取り込み面倒臭いよ!そして、GIF化するのも予想以上に面倒なのであった!
さて撮ったRAWデータを補正するのに、ネガポジ反転のままでやるのか…。
僕のPCに入ってるRAW現像ソフトはCanonのDigital Photo Professionalだけで、ネガポジ反転機能なんかないからなあ。たぶんないと思う。
検索したらDarkTableつうRAW現像ソフトがうちの古いMacでも使えそうだし、ネガポジ反転機能あるそうなのでインストールしてみた、けど何故かアプリケーションが走らない。予期せず終了してしまう。
しゃーないのでDigital Photo Professionalでネガ画像のまま「こうじゃないかな?」と補正。傾きもこの段階で補正。
その後、書き出したJPEGを、Adobe Fireworksでネガポジ反転して…すごい!こんなふうに撮れていたんだ!
今までのスキャナーと違う、段違いな質感のリアルさ!リアルってなんだよ!フィルムっぽい?粒状感?まあそうなんだけど、撮れていたモノがこんなに違っていたとは…
同じ素材から違う世界が見える。大げさ?写真を撮ってスキャンしていた当事者にしてみれば、これはなかなかの衝撃なのです。
今回のサンプルはわりと暗い写真で、あんまりグラデーション表現がどうだとかいうものではないけど、写真によってはかなり違う印象になりそうだ。
解像度はおおむね3000×4000ピクセル程度。EPSONのスキャナで取り込んだ画像は1500×2000ぐらい、でもスキャン解像度を倍に設定できるので、その数字で優劣を決めたいわけではないのだ。1500×2000よりも、3000×4000の方がノイズ除去が面倒だと知ってもらいたい。
JCCフィルムデジタイズアダプターは構造が単純なので、フラットベッドスキャナよりもホコリなどを取り除いてノイズを少なくしやすいかも知れない。けれどなにしろサイズが大きいから、ペタペタとペイントツールでノイズ除去するポイントが多くて、かなり面倒な作業だ。解像度が低ければ、気になるノイズも少なくなるんだけどね。しかしできるだけ高い解像度でレタッチしたいじゃないですか。ていうか3000×4000サイズでレイヤーいくつもあって大丈夫なんかいなワタシの古いMacでAdobe Fireworks、フリーズしまくりじゃないすか。今でさえたまにフリーズするんだから。
JCCフィルムデジタイズアダプターでデジタル化した画像4枚、ノイズ除去前。位置と大きさなどを調整したGIFです。
どうですか!この質感と陽炎歪みの無さ!え?よくわかんない?
ノイズはこのサイズだと(横幅700ピクセルのGIF)気になるの10コぐらい消せばもういいかな、って思えるかも知れないけど、3000ピクセルサイズだと消さなきゃならないの、消したくなるのいっぱいあるんだよー。
質感と歪みの比較
EPSON GT-F730でスキャンした画像をGIF化したもの。↓ ノイズ除去済み。
ねえ、全然違うよねえ。
JCCフィルムデジタイズアダプター使用の画像をノイズ除去してGIF化。↓
ノイズ除去に40分ぐらいかかったぞ。むむむ…
なかなかに手間かかりますね。
しかし、この質感、高ダイナミックレンジと言うんですか、それもRAWから補正できる!ネガポジ反転で面倒くさいけど、他もたっぷり面倒だけど、ヤバい、これはヤバい!もう後戻りできない!これはヤバい買い物をしてしまった!
そうだよな、デジタル一眼レフで撮ると、こんなにレンジの広い素材になるんだ、今頃知ってしまった。常識?みんな知ってた?
とりあえず、今後はEPSON GT-F730でざっくりスキャンしてざっくりGIF化して、これはというテイクをJCCフィルムデジタイズアダプターで再スキャンしよう。GT-F730でのスキャン解像度設定も低くしちゃえ。2400dpiだったのを1800dpiでいいかな。スキャンしてTIFFで書き出ししてたけど、JPEGでいいだろ!ざっくりフェーズのストレスを減らさないと。
TIFFは重たいからさっさとクラウドにアップしてローカルデータは消してたけど、もうそれもやらなくていいね。(もちろん今度はRAWデータをアップするんだけど) 今もあるクラウド上の大量のTIFFが急に無価値になった気がする。いや前からオレ以外には無価値なんだけど。
何がどういう作品になるかというのは、やってみないと分からないから、欲張ってあれもこれもJCCフィルムデジタイズアダプターでスキャンしたくなるけど、やらないかな、やってられないかな。
とりあえず、フィルムの保存と検索性をしっかりさせとかないとね。何年何月何日に撮ったあのテイクをまたスキャンしたい、と思ったりするだろうから。検索性はたぶん、今でもそんなに悪くない。日付け順にネガアルバムに綴じてあるから。しかし保存は…テキトーだからなあ。今まで、古いネガを引っ張り出すってほとんどなかったからなあ。防湿庫とか安くないんですのよ。
コクヨのネガアルバムを使用しています。
他メーカーもいろいろあるけど、他はみんな横長で、コクヨの「縦長」がなんとなくいい気がして。
防湿庫って、大きい物はかなりな値段しますよね。
カメラセレブっぽくてちょっと抵抗あるし。