2008年4月22日火曜日

最近読んだ小説 novels

ロイス・マクマスター・ビジョルド
「親愛なるクローン」
1989年
L・M・ビジョルドのマイルズ・シリーズを読んでます。
10年ぐらい前からぽつぽつと読んでて、だいたいが出版されて間もなくじゃないと本屋にないので、だいたいがSFをよく扱ってる本屋が近所にないので、古本屋で見かけたら買う、ぐらいのペースなのです。
なので、日本で出版されたのはこれが2作目らしいのですが、読むのは今頃になってから。
まあ著者自らが語っています。優れたシリーズものはどの巻を読んでも独立して楽しめるものだし、シリーズという大きな視点で見ても楽しめる、2面的な魅力を持っているものだと。このシリーズもその通りですね。

ロイス・マクマスター・ビジョルド
「バラヤー内乱」
1991年
だからまあ、順番なんか気にしなくても楽しめる。気にしても楽しめる。
この一冊は本当にそう思います。
この、1989年や1991年という年数はCopyrightの年なので、本国(この場合は米国)で出版された年、なんだろうけれど、書かれたのはこっちの方が古いらしいんですね。
日本で出版されたのは「親愛なるクローン」が1993年で、「バラヤー内乱」は2000年。ばらばらですな。
そして僕も、読む前から、この前の話も後の話も読んでいたので「ああ、あの話の巻なのね」と、大筋で知っている物語だけど読んでおこう、ぐらいのつもりだったのだが…
この巻がいちばん波瀾万丈じゃないか!?しかもマイルズが生まれる前の話。
この後のマイルズを知っているだけに、とても感慨深いです。
順番ばらばらに読んでいてより深く堪能できた気がします。
と思う一方で、まっさらな状態から、ちゃんと順番通り読んでみたい、それもきっと楽しめるだろう、とも思うのです。
「戦士志願」を読まないで、ゼロの状態からまず「名誉のかけら」を読んで、それから「バラヤー内乱」を読む。
それもそれで"贅沢"な読書です。
でもこれからそれをやるためには記憶を消去しなきゃならなくて、それができないから"くやしい"という心境なのですよ。

たしか前はアマゾンでは古書でしか売ってなかったのだけれど、なんか今は普通に売ってますね。再版されたのかな。いいことです。
順番通りならまず「名誉のかけら」

次が「バラヤー内乱」




ロジャー・ゼラズニイ
「われら顔を選ぶとき」
1973年
正月に実家に帰った時にあった本。買ったのは自分なんだろうけど、いつ買ったのかはまるで覚えていない。
これって、この本の内容にも通じる感覚?じゃないばず。



アルフレッド・ベスター
「虎よ、虎よ!」
1956年
最近再版された、伝説のSF。
太陽系を股にかける、みたいな40年代能天気SFを大人向けに(壮絶な復讐のおはなし)、いそがしく(なにしろテレポーテイションが一般的になってる世の中だから)した感じ。



ジェリー・パーネル
「地球から来た傭兵たち」
1979年
近代兵器を持った歩兵部隊が、ローマ時代に似た異惑星に送り込まれる「戦国自衛隊」系の話。
地球の歴史をどうこうしようという話ではなく、宇宙人も出てくる。
近代兵器は結構なのだけれど、弾薬がなくなったらそれまでなので、兵器に頼るのではなくて戦術で、というのが面白い。
ジュブナイルじゃないのだけれど、さし絵がいっぱいある。
これが当時流行った"イラストレイテッドSF"らしいですぜ。
この場合、日本の文庫本も、アメリカのペイパーバックもさし絵は同じみたいだから、どっかにイラストがアップされてないかと検索したみたけどみつからなかった。自分でスキャンするのもめんどくさい。

検索してみつけたのはあちらの表紙。
日米の表紙の違いが面白いのでブログにアップします。(結局スキャンしてる)
東京創元社から最初に刊行されたのが1980年で、それはハードカバーか何か。文庫で出版されたのが1984年。


下の画像はアメリカの1979年版の表紙のようです。




エド・マクベイン
「ビッグ・バッド・シティ」
1999年
キャレラもついに40歳ですよ。
てか、このシリーズ、キャレラは最初、何歳の設定だったんだ。20代後半?それが1950年代で…いやまあ、その小説や漫画だけの時間スピードなんてのはよくある事ですが、シリーズの中での「夏」とか「冬」とかの設定を数えても、20年ぐらい経ってるような気がするんだなあ。



ロバート・A・ハインライン
「未来史(2) 地球の緑の丘」
ほとんどが1940年代に初出している短編集。
「未来史」とは言っても、歴史モノっぽく書かれてるわけでもなく、同じ背景設定の未来を舞台にしてるというだけで、シリーズとも言えないくらい。
「未来史(1) デリラと宇宙野郎たち」は僕が高校生の時に読んで、それ以降この「未来史」モノは読んでないはずなのですが、どうもなんだかいくつかは読んだような記憶があるような。
ハイラインの短編は読む機会が多いからね。
以前に読んだ河出書房の「20世紀SF(1)1940年代」にこの中の一遍「鎮魂歌」が入っていたのは確か。
最近この「未来史」モノが再版されたようで、本屋で売ってたのです。
いいね。ハインライン。

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