2023年3月31日金曜日

レチキュレーションに挑戦してみたが

フィルムスープ(このブログ2022.1.12の記述 )がうまくいかないよとツイートしたら、レチキュレーションうんぬんというリプライを受けました。

再チルキュレーション?検索してみたらレチキュレーションという言葉があって、それみたいね。温度変化でシワシワになること、写真界で昔からあるテクニックで、なんか細かい模様がフィルムにできるみたい。

ストップバス→停止液、かな。停止液を摂氏82度に!お湯じゃん!やってみっか。
現実に82度の停止液を作るには原液(僕が使ってるのは富士酢酸)をお湯で割ればいいのだけれど、それだと今あるボトルと合わせて2本のボトルになってしまうので面倒だなあ。2本あってもなあ。ということで今ある停止液を温めることにしました。

たぶん本来それ用の道具があるんだろうけど、ないから電気ポッドのお湯の中にペットボトルをいれてみました。そもそも現像タンクがプラスチックなので82度を入れていいのかどうか怪しい気もするし、それ以前にこのペットボトルの耐熱性はどうなんだ。

67度。

電気ポットのフタ開けた状態での湯煎(電源オフです)、これ以上はなかなか温度上がらないようですね。

そして、普通に現像してみた。できるだけ停止液の温度上げたくて現像時間が長くなってしまった。なので、なんかいつもと違うかも。しかしレチキュレーション的な模様はありませんね。

ちなみにフィルムはLomography EARLGREY 100、カメラはNihika N8000です。

うむむ、67度ではまだ低いのかな。

検索してみつけたページ。The MAP TIMES 極私的カメラうんちく

https://news.mapcamera.com/maptimes/%E7%AC%AC53%E5%9B%9E%EF%BC%9A%E7%89%B9%E6%AE%8A%E5%8A%B9%E6%9E%9C%E3%81%AE%E6%96%B0%E6%99%82%E4%BB%A3/

モノクロフィルムの現像は概ね20℃前後の現像液を使用するが、現像後の定着液に極端な低温の液を使用すると、急激な温度変化によってフィルムの乳剤膜面に均一で微細なシワが出来る。

定着液を低温にするの? とにかく温度変化があればいいんだな。冷蔵庫に入れてみた。
7度。そんなに冷えないんだなあ。まあいいや、やってみよう。現像液は23度。

うむむ、これまた普通に現像できてしまった、全然しわしわ効果がありませんね。
やはりカメラはNishikaでフィルムはLomography EARLGREY 100です。盛大にケラレてるのはリングフラッシュを付けてるからです。


検索してみつけたツイート

現像液を60度にして停止液をキンキンに冷やすのか!やってみよう!

停止液を冷やしすぎて一部シャーベット状になってしまったけれど、ちょっと放置して液状に戻して3度。

現像液は64度。おっと、ペットボトルが熱で変形…

現像時間何分にすればいいんだ?1分?
2分じゃ長い気がするけどあまり撹拌しなければいいかな。なんとなく2分。

やはり2分では長かったようで、明るすぎです。普通にスキャンしたら真っ白だけど、暗く暗く補正すると、何か写ってるぞこりゃ。


これは…ネコの塊!

こんな写真になってしまったのは、久しぶりに使ったKalimar 3D wizardカメラなので、フラッシュがそう、RETO 3Dと違って明るいんだ。いつも通り現像したとしても明るすぎだったろうなあ。只でさえ明るい写真が長時間現像でこんなになってしまった。ちなみにフィルムはやはりLomography EARLGREY 100です。

ざらざらしてるのはPCの明度補正であらわれたノイズですね。レチキュレーションの模様ではないなあ。

一枚だけ、犬のジョン君を撮った写真が、補正したら通常程度に見える明るさに写ってて、これはフラッシュから被写体まで距離があったからかな。でも普通ですね、レチキュレーしてませんね、模様ありませんね。


やっぱレチキュレーション効果ないなあ。

翌日、透明だったはずの停止液が黄色っぽくなってて、これは一度シャーベット状になってしまって何かが変質したのかしら。うーん。だとしても急激な温度変化はあったはず。

とりあえず現時点でレチキュレーションうまくいきませーん。断片的な情報だけでやってるから、基本的な何かが足りないのかも。

動画みつけました。うまくいけばこんなふうになるんか〜


2023年3月18日土曜日

ISU world congress「世界ステレオ写真大会@つくば」がやってくる

 このブログ前々回の記述で、自作ステレオビューワを売るのだ、「ISU 2023 JAPAN 世界ステレオ写真大会@つくば」で売るのだ、と書きましたが、それって何?
ISUはInternational Stereoscopic Unionの略で、世界的な立体写真マニアの集まりです。
2年おきにリアルで集まってわいわいやってるのですが、今年、初めて日本でわいわいします。僕はまったく参加したことありません、なにしろ場所は欧米がメインですからねえ。

「ステレオクラブ東京」がホスト?下請け?となって今年9月12日〜9月18日に茨城県のつくば国際会議場で大会が開かれます。

大会って何やるんだ?
リンク先 https://isu2023.stereoclub.jp/index_j.html にもありますが、コンテンツは大きなスクリーンでの立体写真(動画も含む)上映と、日帰り撮影旅行、ワークショップ、トレードフェア(ステレオ蚤の市)、ステレオ茶会といったところです。
大会参加料金が一般208ドル、ISU会員は135ドル…全然安くないんですけど、一週間全日参加する前提な料金設定でして、もともと欧米のステレオ写真好きが「一週間ぐらい仕事休んで集まってどっぷりステレオ写真漬けになろうぜ」と始まったもの、そうやって続けてきたもの…だと思うのです。実際、会場費がかかるのでこれくらいの価格設定じゃないと赤字確定、人数によってはやはり赤字確定な雰囲気です。一応今回は、日本のライト層向けに週末参加のプランも用意されてます。詳しくは参加申込みページにあります。 https://isu2023.stereoclub.jp/index_rejistration_j.html 申込みページの「エクスカージョン」てのが「日帰り旅行」で、けっこう充実してますが別料金なので、全部行ったらそうとうお金かかりますねこりゃ。

ちなみに、トップページからホテル日航つくばへのリンクもありますが、もちろん大会参加費とホテル代は別途です。しかしそのホテルに泊まらなくても、どこに泊まっても泊まらなくてもいいです。ただ、レセプションパーティをそのホテルで催すし、会場が近いから、お金に余裕があったらそこに泊まるのがいいでしょう、という、ガイジン向けの案内でもあります。

 僕はこの大会に参加して、ボランテイアスタッフもする予定です。そのためにISUにも入会したぜ。
ISU https://isu3d.org/ の年会費が20ドルだから、入会してから大会参加した方が安いよね。会誌発行のタイミングの都合で、ISUはまだ2023年になってないようなので、3年会員になりました。
やった!これでオレも「国際立体写真協会正会員」だ!

実は大会で一番楽しみなのは「トレードフェア」で、日本ではなかなかお目にかかれないようなステレオグッズを見て触れると思ってた…のですが、どうもわざわざ欧米から多くの荷物を持って来る人は あまりいないようで、その珍奇さについてはあまり期待できないのかなあ。
せめて自分でステレオビューワを売ろうかしら。
という事もあってステレオビューワせっせと試作してるのです。
紙製ビューワだから日本で日本人相手にしたら高く売れないけど、一日で作れる数を考えるとそんなに安くできない。立体写真好きの西洋人相手なら、日本旅行のはずみで高く買ってくれるかも知れない。
もっとも、参加者は何人になるんだ、イベント自体もやっぱ赤字なんじゃないの?という雰囲気もあって、参加者が少なかったらトレードフェアも寂しいだろうなあ。

後は、日帰り撮影旅行も楽しそうだなあ。派手なリグを持って観光地をウロウロしたいじゃないですか。(勝手にやればいいじゃん)
でも団体活動するとなると、被写体やアングルにこだわってる時間がない?いやいや、西洋人のお年寄りが多いらしいから、協調性が無いのが標準みたいですぜ。

さて、自作ステレオビューワ用のLサイズステレオカードですが、欲張って用紙いっぱいの大きな写真をプリントするとやっぱり見えにくいようです。先日のステレオクラブ東京の例会でも、Tha pino noirのキャンディ氏(立体視苦手な人代表)にも評判よくなかった。
レンズを替えるか、カードのデザインを変えるか、Lサイズ横はやめるか…。
とりあえずカードの推奨デザインをこんなふうにしてみますか。(カード内で写真をめいっぱい大きく表示しない)

ブログ書いてる現時点でまだコンビニプリントしてないけど、これくらい余白があるとビューワで見てちょうどいいのではないかな。

どのみち写真のLサイズって日本以外にはあんまりないから、ビューワ買った人が自分でプリントして楽しむ、という前提にはなりにくいだろうから、こちらで提供するカードを見るだけになる、かな。それもそれでおこがましいですな。

2023年3月15日水曜日

LOREO 9005ふたつで4眼やってみるか

 PENTAXステレオアダプターふたつで4眼撮影、というのを以前にやりましたが(このブログ2022.12.7の記述)、画像の歪みがあって後々補正するのが大変だから、はてさて、今後も同じことをやるのかオレ?それとも、LOREOの3Dレンズ9005(このブログ2020.12.12の記述)で同じことやってみる?LOREO 9005の方が歪み少ないからなあ。

それにはLOREO 9005がふたつ必要なので…もうひとつ買いました。香港のLOREO社から買えると思ったら、webサイトを見ると http://www.loreo.com/ もうそこでは売ってなくて、製品は3dstereo.comで買ってくれと。LOREOは何年も新製品出してないし、もう在庫販売するのも面倒だと、会社畳んでしまう感じですかねえ。残念だ。
そして9005は、以前LOREOから買ったときは150ドル+送料だったか、それが今や180ドル+アメリカからの送料ですよ。世界的なインフレだから値上げは仕方ないかも知れないけど、円安だし、ああもっと早く香港のLOREOから買っておけばよかった。

Canon EOS 70Dのリモート端子をつなぐいつものシステムで2台のカメラを同期(このブログ2020.6.11の記述)。まあこの同期っぷりがクセモノなのだなあ。

先日のステレオクラブ東京の例会に持っていきました。その勇姿。撮ったのはinstagram@zodiacaldustさんで、インスタのスクショをこのブログで使用させてもらってます。

この日、このシステムでばしばし撮るつもりだったけれど、同期がなかなか合わなくて往生しました。続けて何十枚も同期ばっちりな時があるかと思えば、同期合わなくてほとほと難儀する時もあって、やれやれ…
僕の最新の知見では、両方のカメラのシャッターボタンを半押しにして、それからどちらかを深く押すと同期しやすい…そのはずなんだけど、あれ?なんかうまくいかないなあ。何度か試して同期するようになったのでイベントの終わり頃に何枚か取りました。イベントと言っても上映会がメインなのでそんなに撮影機会があるでもないけれど。

出版記念撮影。
これは左カメラの写真。
右カメラ
フラッシュ使用してるので、同期してるのがわかると思います。

GIF化
レンズが90mmおきに4つあって、被写体までの距離は3m? 4mはないかな。
ちょっと視差ありすぎかなあと思ったけど、わりとスムーズなアニメーションになりました。おそらく、被写体のすぐ後ろが壁で、遠くの背景が写ってないからでしょう。



縦の黒いオビの部分が広いですね。これはメインの被写体が4つの画像すべてにおいて中心にいないからですね。黒い部分は普通の立体視画像にしようと思ったらトリミングしなきゃならない範囲で、GIFアニメでも無い方が美しいかな。でもそうなるとかなり縦長の画像になってしまう。
それは仕方ないんじゃないの。レンズが90mm間隔で距離3m程度なのだから、こうなるよね。4つの画像でメインの被写体が常に中心にいるなんて無理でしょ。
いや、LOREO 9005には距離設定ツマミがあって、その設定によってミラーの角度を変えられて、カメラ本体の向きも調節すれば、基準となる被写体が4つの画像すべてで中心にいるように撮るのは可能です。実際、この日の午前中にうちでテスト撮影した時にはそれがうまくいったのだ。
しかし、そのためには、時間をかけてセッティングしなければならない。三脚を使用してカメラを固定、被写体も動き回らないでもらいたい!
実際には、カメラは手持ちで、被写体は位置をしょっちゅう入れ替わってる。それでも撮ってる時はカメラの背面モニターで「だいたいこれでメインの被写体が常に中心になってるんじゃないかな」と思ってたけどそんな事はなかった。

PENTAXステレオアダプターと比べてどうなのか。歪み具合は?
ほとんどまったく歪んでない、と言ったら言い過ぎだけど…上のGIFは歪み補正いっさい行ってないのです。位置と傾きの調整だけです。アニメーションにすると歪みが目立つ、それなのにこのスムーズさは素晴らしい。
画像のクリアさは?高精細なのは?PENTAXステレオアダプターの方がいいなあ。
LOREO 9005はNishikaの画像みたい。そうか、Nishiakっぽいなら慣れてるからいいのでは?いや、デジタル一眼レフなのだからもっと高精細な写真を取りたいよう。このGIFでは画像の精細さはわからないだろうけど、なんかNishikaっぽいのは感じてもらえると思う。まあ、撮ってる人が普段Nishika・nimsloで撮って色補正してる人だからねえ。

とりあえず、PENTAXステレオアダプターよりも歪み補正が格段に楽だから、もっと撮ってみよう。いやまあ、ふたつ買ってるんだからもっと使わないとね。

問題は同期精度なのだけれど、またこの後うちでテストを繰り返して、これなら同期ばっちり撮れるぜ!という方法を発見したけれど、もうそれ何度目かなあ。家では何十枚も続けて同期OKな条件でも、撮影の本番ではうまくいかなかったりする。
同期がうまくいかなくても、すぐに良くしようと焦らないで落ち着いてぼんやり続けることが大切…そんな答えか…