実家からアパートに戻ったとたんに、風邪でダウンです。
最初はひどいダウンじゃなかったので、ビデオでも見ながら養生…
今もまだ風邪は続いてるんですが、ちょっと小康状態(だと思おう)。
テレビ放送の映画を録画したVHSテープが実家にいっぱいあって、だいたいがB級アクション映画で、一度見たら消しちゃうつもりで3倍モード。
それが溜まりに溜まって数十本。百本ちかくあったかな。まだあるかな。
それを今回の帰省で処分しましした。燃えないゴミです。
その中からなんとなく1本持ってきたのです。
やや長い映画なんだけど、前後編に分けて放送してるので、ノーカットに近いかと思います。
でもワイドスクリーンだろうのに4対3にトリミングされてるから、半分カットされてるようなものか。
吹き替え版です。
「ネレトバの戦い」
BITKA NA NERETVI
1969年 ユーゴスラビア・西ドイツ・イタリア・アメリカ合作
監督 ヴェリコ・ブライーチ
体調悪い時に見ると、夢でうなされるかもね。
雪中行軍シーンが多くて、それが寒そうなんだー!
映画のために、たぶん何時間も、この人たちは雪の中を歩いてるよ。ロングショットが多いのでそれが想像できる。
ユル・ブリナー、シルバ・コシナ(非業の死をとげる女闘士がぴったり。この人きっといろんな映画で何度も死んでるだろうなあ)、ハーディ・クリューガー、フランコ・ネロ、オーソン・ウェルズ、セルゲイ・ボンダルチェクといったオールスターキャスト。
しかしどのキャラクターもぱっとしない。ユル・ブリナーとハーディ・クリューガーがちょっといいけれど、基本的に大河ドラマ的で、キャラクターで"おっ"と思わせるところがない。とてももったいない。
ユーゴスラビアの国策映画みたいなもんだから、しょうがないのかな。
並の戦争映画の倍ぐらい、爆撃、砲撃シーンがあるけれど、カメラがその迫力を描ききっていない。むしろ単調に感じられる。
アクションをどう撮るかというビジョンがあまりなかったのかもしれない。アクション映画ではなくてメロドラマだから仕方ないのかな。
しかし全体的に映像の色調は素晴らしい。
雪中行軍シーンはモノクロに近い水墨画のような映像。
風景が美しい、いや、雪が溶けて春になった時の美しさを想像したくなるくらい、厳しい"冬"なのだ。
街や村のシーンもくすんだ灰色が多く物をクリアに見せることはしない。くもりガラス越しのような映像が、むしろ柔らかく人物を包む。
(もっともテレビ放送のよくないマスターだからかもね。デジタルリマスター盤なんてのが出たらとてもクリアだったりして)
そのわびしい映像の、とくに雪中行軍シーンにもっと美しい音楽をあてて欲しかった。
メロディで聴かせるような、叙情的な曲が欲しかった。
そうすればこの映画の行軍シーンに"寒そう" "悲惨"だけではない印象が加わって、もっと情感豊かな映画になったのに。
なにしろこの映画、行軍してるか戦闘してるか、ほぼどちらかのみですから。
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