2008年2月21日木曜日

小説 アンドレ・ノートン「メニエ騎士像のなぞ」
andre norton "at swords' point"

アンドレ・ノートンのファンです。
アメリカのSF作家です。
最初は男かと思ってたら(アンドレって男名前、ですよね)本名アリス・メアリー・ノートンという女性。
女流SF作家とは言っても、少年が主人公の冒険SFが多い。中学生ぐらいにわくわく読んでもらおうという本をいっぱい書いている。
僕がSFを読み始めた頃に早川書房から「ゼロ・ストーン」や「ビースト・マスター」などが出版されたので、普通にファンになりました。
しかしそれから日本ではまったく刊行されなくなり、古本で買った「太陽の女王号」シリーズとか「スター・ゲイト」とかを読みふけっていたのです。
キャラクターや設定がしっかりと、無理なく描かれているものは、大人になっても楽しんで読めるのですよ。

1912年生まれ。「メニエ騎士像のなぞ」が何年の作品なのかわからないけど、1952年頃が舞台になってるので、その頃に書かれているのかな。
ノートン女史は2005年に他界しています。93歳!
生涯を通じて精力的に創作していたようで、「太陽の女王号」シリーズは1990年代になってポコポコと続編を書いています。日本で刊行される気配なし。困ったものだ。いや、シリーズ1作目が最近復刻されたらしいから、可能性あるかな。

先日、アマゾン古書でアンドレ・ノートンの「魔法の世界エストカープ」シリーズを買い始めました。
ま、それについては後で書くとして、

昨年の4月に"マムジャム"というSNSの日記で「メニエ騎士像のなぞ」の紹介文を書きました。
その頃はまだこのブログ始めてませんでした。
今回、またアンドレ・ノートンにのめり込むだろうからその前に、マムジャムの日記からここにその記述を複製しておきます。
マムジャムは知人に勧められて始めたSNSです。
mixiもやってますが、どっちもあまり活発には参加してません。人の日記をせっせと読んでます。

アンドレ・ノートン
"At Swords' Point"「メニエ騎士像のなぞ」

学習研究社 昭和51年

図書館で何気なくアンドレ・ノートンを検索してみたら、おや、オレの知らない作品がある。
「メニエ騎士像のなぞ」

足立区中央図書館在架
SFではなくてスパイ・サスペンス。
とは言っても、学研の「少年少女サスペンス」シリーズですから、小学校上級〜中学生向けの、冒険ロマン小説です。「少年期にぴったりの血わき肉おどる最新作!」そうなんだ〜。

アメリカの青年が謎の組織の協力を受けながら(どうやらCIAらしい)オランダで秘宝"メニエの騎士像"を求めて、敵(どうやらナチスの残党らしい。ナチス復興の資金のために騎士像が欲しいらしい)と対しながら冒険をする。
オランダの古都、歴史を雰囲気たっぷりに描写してるのと、おそらくナチスに対してオランダがいかに戦ったか、今もその心意気がどれほど残っているかを描き、それをオランダ人が誇りにしているためか、この小説はオランダ政府から賞をもらってます。
この作品では、青年に協力する、そして青年が属するようになるのがCIAで、敵がナチス残党だってのがはっきりしないんだけど、巻末の解説によると本作は『剣』三部作のひとつだそうでして、シリーズの他の作品では、そのへんがはっきりしてくる、のかな。
ちなみに学研の「少年少女サスペンス」シリーズとは、学研が勝手にシリーズとして日本で刊行してるだけで、お勧め海外読み物、てなノリですな。で、ノートン女史の『剣』三部作の他の2作は未訳みたい。

ノートンの他の作品同様に、等身大の主人公、友情に熱い仲間、変化するロケーション、非情な敵と罠、などなどが詰められていて楽しめます。
読んだ事のないノートンの作品が読める、というだけで嬉しいんだけど。
でもSFじゃないから、全体のダイナミックさは少ないかな。スケールの大きな話ではあるのだけれど。
しかしこの表紙のイラスト、いくら70年代でも暗いんじゃないか?そんなに深刻な話じゃないんだけどなあ。軽妙な話でもないけど、こんなに思い詰めてもいないだろう!
図書館がコンピューターを導入する以前の記録が本の終わりのページに残ってるけど、昭和51年から5年間で8回借りられてます。多いんだか少ないんだか。少ないとしたらこの表紙のせいかも。
僕がこの作品にダイナミックさよりもこじんまりした印象を持つのは、表紙のせいかも。

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