2008年8月3日日曜日

映画「敵こそ、我が友」mon meilleur ennemi

於銀座テアトルシネマ

「敵こそ、我が友 〜戦犯クラウス・バルビーの3つの人生〜」
Mon Meilleur Ennemi
2007年 フランス映画
監督 ケビン・マクドナルド

これと言った予備知識もなく見ました。
でもまあ、衝撃とか、愕然とかいう程のこともないんだけれど…。
話は1960年代か、せいぜい1970年代で終ると思っていたら、81年にボリビアでのクーデターに関与ですか。
当時僕は子供だったんでそんなこと知りませんが、80年代ぐらいから世相とか社会とかの記憶があるんで、その頃から現在までが自分の中では普通に延長してるのですね。だから"古い出来事"とは思えないのです。もっとも、僕より年上の人だったら70年代、60年代だって過去と言い切れないのでしょうけれど。

映画「ブラジルから来た少年」が1979年で、バルビーが第四帝国を夢想してクーデターに加担するより前だから、「あれは映画だから」なんて言ってられないリアルな話だったのか。
南米でナチスの残党が普通に活動してるなんてのは、当時の裏常識でもあったようですね。

そしてやっと裁かれるのが1984年。
僕は全然記憶にないけれど、覚えてなくても不思議はない年齢だったけど、日本ではどれくらい報道されたのかなあ。

音楽がよかったです。たんたんと記録映像が流れるなかで、突如ドスのきいたラテン音楽がピリっとしてくれるのです。

監督のケビン・マクドナルドが公式サイトで語っているように、バルビーの温和そうな、優しそうな、誠実そうな顔が印象的です。
こういった良質のドキュメンタリーはテレビではあまり放送されなくなって、これからは映画館で見る事が多くなるのではないか、とも書いてあったけれど、そうなの?
シネコンなんかの映画館は日常空間ではなくイベント空間になってるし、料金も安くないし、せっかく僕が認めるテレビの役割を、テレビさんには手放してほしくないんだがなあ。

そういやブロンソン主演の「地獄で眠れ」も1984年製作で、ラテンアメリカが舞台で、悪役は拷問の専門家で、国から国へと追放・歓待されてた。モデルはバルビーかな。

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