2008年8月1日金曜日

映画「ドラゴン・キングダム」forbidden kingdom

於TOHOシネマズ西新井

「ドラゴン・キングダム」
The Forbidden Kingdom
2008年 アメリカ映画
監督 ロブ・ミンコフ

まあそこそこ面白かったです。しかし…
大興奮するばすのジャッキーVSジェット・リーのシーンも時間たっぷり見せてくれるのだけれど、やはりジャッキー最盛期のスピード・カンフーを知る者としては、DVDで今でもそれが見られる身としては、「進化の止まった芸能」を黙々と見せられているようで、まだまだこれをじっくり堪能するにはこちらの修行が足りないのかな。
もっとも、ジャッキーもまだ50代だからやろうと思えばもっとアクションできるはず。どこかで言ってたけれど、ハリウッドでは危険な事をやらせてもらえないんだそうな。

全体的なタッチは西洋ファンタジー映画と似たり寄ったりで、西洋ファンタジーの代用品かなこりゃ。
西洋人が作ったものなんだから、それが悪いとは言わないけれど、オープニング・クレジットのあのブルース・リー的テイスト、ショウ・ブラザース映画などをネタにしたわくわくオープニング、あれは何だったんだ?本編とイメージが全然違う。もっとごちゃ混ぜでパワフルなものを期待してしまうじゃないか。
オープニングであんなにわくわくさせておいて、本編は西洋ファンタジー代用品なんだから、がっかり感が増しますね。
オープニング・クレジットだけ別の製作チームが作ったのだろうから、こういう事が起こるんですかね。あるいは別の映画のオープニングを流用したのかな。

音楽もあのオープニングだけイキのいいインチキ・ニュー・ウェイブ風ですごくいいのに、他はまったく"ショボ西洋ファンタジー"と聴き分けがつかない普通っぷり。何なのかね、これは。
音楽にはもっと飄々としたテイストがあった方がいいのに、頑張ってまじめに映画を盛り上げようとしている。
たまにモリコーネ風のスゴミ音楽があったけれど、映像はレオーネ風でもなく"普通"のままなので、どうという効果もなかった。
ぼんやり見てたので覚えてないけれど、音楽に関するクレジットがふたつあったような気がする。メインの作曲家と"付け足し"の二人がいるのかな。メインがいまいちだったという事でしょうか。

ま、それらの事はさほど大きな問題ではないのだが‥
他のキャラクターが皆、ピシっと決まって個性的なのに、肝心の主人公であるアメリカ人青年だけがつまらないキャラクターなのが致命的。
いや、このキャラクター、この設定のままでもいいのだけれど、それならもっと強烈に感情移入できるような描写が、アメリカでのシ−ンにあるべきだった。
中国人の雑貨屋(やっぱりジャッキーだ!)が撃たれるシーンも、屋上から超自然的な力で引き寄せられるシーンも、「脚本に書いてあったからやりました」みたいな感じで、リアルに迫ってくる恐怖・焦り・混乱がない。この映画全体が薄っぺらくなっている。役者よりも演出の問題かな。これだったらアメリカのシーンなしにした方が、すっとんきょうな映画になってよかったのでは。

砂漠でスパロウのかんざしを拾って渡すシーンがよかったですね。

0 件のコメント: