2007年7月3日火曜日

映画「アポカリプト」Apocalypto

於MOVIX亀有

刺激の多い映画なのだけれど、終わってみるとはて?何を言いたかったのかわからない。
いや、わからない事はない。きっと走ったり動いたりするダイナミックさや高揚感を描きたかったのだろうし、それは立派にやっているのだ。
でもなぜマヤなのか。
登場人物が皆マヤ語で喋るというのは、そりゃあ画期的でよくやったとは思うけれど、描かれている感覚はやっぱり白人のものであって、充分ハリウッド映画ですねこれは。
舞台を異質の文化にしたからには、その文化ならではの感覚がリアルにないと、映画のリアルさ、興奮の度合いも違ってくる。

描いているのは白人の目から見たマヤの悲劇や残酷さであって、あまり新鮮味がない。都市の人々がその日常で暮らすことがどういう感覚なのか、伝わってこない。白塗りの人、青塗りの人、見慣れない衣装や装身具がぞろぞろ出て来ても、そこでの暮らしが見えない。
主人公はジャングルの民だから都市人の感覚をそんなに描かなくてもいいのかも知れないけれど、それではゲームの舞台設定でしかなく、ロープレの都市といっしょなのだ。RPGやったことないけど。

メル・ギブソンというと僕は「パッション」見てないけれど、「ブレイブハート」はよかった。
エキゾチックさで題材を選ぶよりも、もっと自分の感覚を描ける題材の方がいいんじゃないかな〜。

役者がいい顔してるし、激しいアクションにも一票は投じるけれど、これしか描かれなくていいのかマヤ!と思うのです。

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