このブログ2020年6月の記事に「Canon EOS 70D 2台をリモートケーブルで繋いで立体撮影 記述1」「記述2」があります。
あれから2年経ってますが、その間これについては何もやってませんでした。さんざんテストして、同期精度については確信持てず、ステレオベース120mmってのがあまり好みじゃなくて、だって風景写真ってあまり撮らないからさ、なのでそれっきり…むしろステレオベース50mmぐらいが使う機会多いよなオレ…そんな事言うなら最初からデジイチでやろうとするなよ!だってお手軽に同期できるかもと思ったから。
さて、2年の沈黙の後、あらためてCanon EOS 70Dをリモートケーブルで繋いで立体撮影にチャレンジ。
ステレオベースを短くするために、カメラ縦使いで三脚ネジ穴を向かい合わせに合体します。
エツミ止めネジ オス-オス様のご登場です。
レンズ中心の真下にネジ穴があるカメラなら有効ですね。実は以前にもやったのだけれど、丁度いいところでネジ絞めが止まらなくて、レンズを同じ方向に向けた状態ではまだユルユルで、これでは使えないなあ、それっきりでした。
今回、試しに厚紙をはさんでみました。ゆるすぎるなら…紙はさんでみりゃいいんじゃん。
すると、ぴったりの角度でカメラが固く止められて、これはいい!
リグをお見せしましょう。
ステレオベースは約85mm。
見た感じレンズがちゃんと同じ方を向いていて、カメラが平行になってると言えるのではないか。85mmなら人物撮影でも実用的かも。
レンズはシグマの30mm f1.4 DC HSMがふたつ。レンズフードがガチンコしてますね。センサーサイズがAPS-Cサイズなのでフルサイズだと50mm弱ぐらい?
細部をご紹介。
左カメラのホットシューにアームを取り付けて、左手でも保持できるようにしてます。
右手用にグリップを用意。これはカメラには固定しないで左アームから伸ばしてます。右カメラのホットシューにはフラッシュのリモートトリガーが付くので。そこにもホットシューあるけど、とてもカメラを保持するあてにはならなそうなので、右手用グリップ付けるならこうかなあ。
右手用グリップには右カメラをちょこんと乗せて保持します。これをやらないと左カメラのホットシューだけで二台のカメラとレンズを横向きで支える事になって、わりと大丈夫かも知れないけど不安。
グリップの位置はいろいろ試したけど、ここが比較的にシャッターボタン押しやすいかなあ。比較的であって、これがベスト!これがいい!って事ではない。
右グリップも左のアームもなしで持てるけど、操作できるけど、重たいし手の角度がヘンになるから長時間は無理だろうなあとリグを組んでみました。
2台のカメラの同期はリモコン端子をケーブルで繋げるだけです。ケーブルは市販のオーディオ用ミニミニプラグ(2.5mm径の3極)を使用します。詳しい事は2020年の6月にも書いてますね。ちなみに写真ではL型ジョイントを咬ませてます。
2台のカメラどちらも同じように繋げて、どちらかのシャッターを押せば、もう片方も同じタイミングでシャッターが開閉します。
同じタイミングとは言っても完全に同じではなく、どのくらいの同期精度なのか、それが重要で2020年6月に沢山テストして、今回もテストしたけど、以前はバッテリーの違いで?とか思ったけど今回はそんなことあんまりなくて…
どうやら見えてきた同期精度にかかわる要因。「絞りが大きく開いている方が同期しやすい。」
レンズ越しに絞りをよーく見ていると、基本的に常にフルオープンで、シャッターボタンを押してから設定した値に絞り羽根が動いてシャッターが開き、シャッターが閉じた後に絞りはフルオープンに戻る。シャッター速度を遅くするとそれがよくわかる。ふーん、そうなってるのか〜。
それなら確かにそうだな、シャッターボタンを押してからの動作が少なければ少ないほど同期しやすい事になるね。
シグマ30mmレンズ、カメラの背面モニターオフ、オートフォーカス、f1.4でシャッター速度1/200秒でもわりと同期しますね。同期するってのは片方だけフラッシュ光らせて、その光がもう片方のカメラでも撮れるという事。わりと同期するってのは失敗率10%以下です。サンプル数は多くないけど、失敗が続く時は続くので、ダメな時はそれもすぐにわかる。シャッター1/200より早くなると、そもそもフラッシュと親機(シャッターボタンが押された機であり、フラッシュが光る機)が同期しにくくなります。子機はもっと同期しません。
ちなみに背面液晶モニターオフの方が同期しやすいみたい。(2020年には別の結論だった気もするが…)
この「エツミ止めネジリグ」はバッテリーの交換が面倒なのだけれど、モニターオフならバッテリーあまり消費しないからいいかな。
ちなみにモニターオフだとシャッター音が大きいです。昔のカメラって感じです。×2だから更に音大きい。
ちなみにシグマ30mmレンズは、同じ名前のレンズ2本なのだけれど、微妙に違います。ほら、表面の仕上げが違うでしょ。てかてかしてる方が古いです。たぶん。たぶんというのは、もう1本つや消しの方は中古で買ったので、どっちが古いかは実感としては知らないのです。でも、てかてか君の方がオートフォーカスの合焦に時間かかるので、より古いのではないかな。
ちなみにシグマの30mm f1.4はシグマArtシリーズとして現在は売られていますが、これはどちらももっと以前の製品です。テスト撮影。
千葉県柏市、あけぼの山農業公園にある小さい滝を撮りに行きました。
あれれ、うむむ、オートフォーカスでピントが合いませんね。同期はばっちり合ってるんだがなあ。
しゃーないからマニュアルフォーカスで撮影。
まったくの無補正、位置の補正も無しでGIF化
ある程度歪みの違いはあるだろうと思っていたけど、ありますねえ。上下の違いはレンズの角度の微妙な違い?色と明るさも違うなあ。
頑張って補正したら、このくらいにはなりました。
適度な視差の、お上品な立体写真になりましたね。
カメラから滝まで目測で4mぐらい。ステレオベース85mmは広すぎるかな?と思ったけどそんな事ないですね。遠くの背景が写ってないからかな。
それにしてもオートフォーカスでピントが合わないのはどういう事か。
バンドのライブ撮影するのに、いちいち2本のレンズをマニュアルフォーカスで撮ってられんぞ。(カメラ1台ならむしろマニュアルフォーカスで撮る)
今さらシグマ30mmレンズのアマゾンのレビューを見ると、オートフォーカスがあてにならないレンズなのですね。もう10年以上使ってるのに知らなかった。だってオートフォーカスで撮らないから。
家でテストをすると、確かに拡大して見たらピント合ってないじゃん。気付かなかったなあ。フラッシュを撮れてるかばかり気にしてたから。
またテストを重ねて、どうやらf5.6ぐらいなら、まあまあオートフォーカスでも許されるピント具合で、同期も失敗率10%程度でまあ実用の範囲かなと。
ここまで詰めておきながら実用に適さないないのは困りますからね。
このリグを持ってバンドのライブ撮影をするのだ。
記述2に続く
こちら、現行のシグマArtシリーズの30mmレンズ
こちら、僕が持ってる旧製品「つや消し」タイプだけど、別に値段安くないですね。
たぶんEOS 90Dも同じリモート端子だと思う。EOSヒトケタDとかEOS Rとかは別の端子でこの手は使えないと思う。
頑張れ90D!