於東京国立近代美術館フィルムセンター小ホール
ポーランド短篇映画選 ウッチ映画大学の軌跡
ポーランド短篇名作選集1
イウジャ産陶器
Ceramika iłżecka
(9分・35mm・白黒)
1951年 アンジェイ・ワイダ監督
陶器の名産地を紹介する「文化映画」
アンジェイ・ワイダの習作だそうです。こういう課題みたいなもんがあるのかな。
映画学校にはもってこいだろうねえ。でも作り手が若いとすぐ何かしら新しい要素を入れそうで、そのコントロールがまた学習ですかね。
オレも作りたいな。
今でもこういう「名匠の技」みたいな映像は作られてるだろうけど、すぐには評価されなくても後々資料として評価されれば、作る側としても悪い気はしないですね。
役所
Urząd
(6分・35mm・白黒)
1966年 クシシュトフ・キェシロフスキ監督
役所にカメラを持ち込んで、年金受給について相談にくる老人達と、紋切り型でしか応対しない係員とシステムを描いたドキュメンタリー。
トークイベントでのアンジェイ・メリン氏によると、キェシロフスキは学生の頃からこういった社会性のあるテーマを追い求めていたそうです。
へーえ、むしろ後に作る映画は個人の内面をテーマに描いているように見えるけど、たしかに「社会の中の個人」という視点もくっきりしてますね。
グーチャ
Gucia
(16分・35mm・白黒)
1985年 ドロタ・ケンジェジャフスカ監督
すごい。映像ならではのファンタジーを作りましたね。
学生の映画でこんな、子役をくっきり描くのアリ?
カメラの前で子供に何をさせるか、そうするためにはどうすればいいか、知らない世界ですよ。
気になるね。この人の映画もっと見たい。
見たいだけでなくやりますね、10/13から「僕のいない場所」シネマ・アンジェリカにて、ってどこだよそれ!
ドロタ・ケンジェジャフスカ監督2005年作品
「僕のいない場所」公式サイト
http://boku-inai.jp/
あ〜、オレの環境では予告編見れねー!
場所は渋谷ですか。地図みた感じだと、この映画館行ったことあるねたぶん。名前が変わったんじゃないかな。
上映後に行われたウッチ大学学部長アンジェイ・メリン氏のトークによると、ワイダやポランスキは30年代からのドイツによる占領、戦後のスターリン主義による圧政を経験していて、そのたがが外れた50年代にポーランド映画は華ひらいたそうです。
その後の隣国でのプラハ動乱や"連帯"の成功と挫折がポーランド映画にいかに影響しているか、熱く語っていました。
なるほど20世紀はポーランドにとって動乱の世紀。いや、ちょっと調べれば19世紀も18世紀も動乱してばっかりなのがわかる。そんなお国なのですね。
メリン氏のトークによると、ウッチ映画大学は創設時から3つの大きな方針があったそうです。
1.映画の技術を教える。工業学校などと同じように技術が重要である。
2.映画は人間を描くのだから人間について学ばなければならない。
3.映画は芸術である。
3の「映画は芸術なんたら」については、どこの映画学校でもそういった表題は掲げているだろうけど、実際、卒業生にとって商業映画で成功する事を目標にさせていたらそうはならないだろう。
しかし作品を見ると、確かに3つとも実践されているだろうと思える。
カメラマンも学生なのかな。映画の芸術性を追求することであれだけの撮影技法を習得するのかな。すごいな。
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