原題は「一招半式闖江湖」らしいけど、僕が見たのは英語のタイトルしか出ないDVDでした。広東語トラックあり。
「カンニング・モンキー 天中拳」
1978年 香港映画 陳誌華(チン・シーホワ)監督
日本で公開されたのは83年。なんとなくテーマ曲(日本のみの)が記憶にあるようで、思い出せません。
数年後にでもテレビ放送で見てると思いますが、覚えてません。
なんでも、ジャッキー・チェンのコメディ路線初挑戦の映画だそうでして「蛇拳」や「酔拳」はこの後に作られてます。
タイトルはカンニング・モンキーだけど、それは紙を見ながら練習して更に戦ってというシーンがあるというだけでして、さほどカンニング的ではないです。師匠公認だし。
字幕に「友達の輪」とか「オール阪神・巨人」とか出て来て時代を感じさせます。新しく翻訳すればいいのにと思いますが、文化遺産を守るためあるいは予算がなくて昔の字幕のままなのでしょう。
ジャッキーは例によって、たいして強くもないのに威張りたがってすぐ調子づく若者役。
ジャッキ−の「ナントカ拳」映画のファンであるなら、修行シーンがほとんどないのが物足りないでしょうか。
ちょっとはあるけど、紙を見ながら一人で型を演じているだけで、あれだけでそんなに強くなるんかいな。
そして格闘中もアンチョコを見ながらえいえいっと、敵は何年も厳しい修行をしてきて格段に強いはずなのに、勝ってしまう。
そのへんがやや納得いかないし、期待はずれな部分でもありますね。後の「蛇拳」「酔拳」を見てる身としては。
しかし考えると、コメディ路線初挑戦という事は、そんな厳しい修行で強くなるよりも、アイテムでインスタントに強くなった方が楽しくて夢があるんじゃないか、悲惨な復讐劇もやめようよ、という方向があったのでしょう。そこにもっと重点をおいた演出を最後の格闘にやっていれば、もっと完成された映画、楽しさに賭ける情熱あふれる映画になっただろうに。
オープニングのジャッキー七変化からして、そういう映画を作ってやろうという気合いはあったのでしょう。
師匠役は李文泰。「蛇拳」の袁小田とは別人ですが、キャラクター造形は近いです。厳しい顔もするけどホームレスだし。師匠の描き方からしても、後の完成されたコメディ・カンフー映画へのステップをたどっている途中の作品という事で、やはりジャッキーマニアなら見ておくべき映画でしょうか。
しかし師匠とジャッキーの関係はやや希薄だし、それよりも一番弟子(ジャッキーの兄弟子)のヘッコキ風太郎の印象が強くてジャッキーの影も薄くなってしまうくらい。
ヘッコキを演じるのは石天(ディーン・セキ)。この人いつも快演してるなあ。
アクションもさほど激しくはなく、全体的に散漫な印象。香港映画は「その時よいと思った事をカメラの前でやればいいじゃないか!」という気風があるのでしょうか、そのせいなのでしょうか、終わってみれば平坦で散漫な印象になるのですね。大きな魅力となる時もあるけれど。
2 件のコメント:
>なんでも、ジャッキー・チェンのコメディ路線初挑戦の映画だそうでして「蛇拳」や「酔拳」はこの後に作られてます。
私的にはそれ以前(のはず?)少林寺木人拳もコメディに見えちゃいました^^
>師匠役は李文泰。「蛇拳」の袁小田とは別人ですが、キャラクター造形は近いです。
袁小田さんという人は、あの白髪で鼻の頭赤くて、すごく老人のはずなのに、すごく動きのいいあの人ですよね。あの人大好き!
>ヘッコキを演じるのは石天(ディーン・セキ)。この人いつも快演してるなあ。
もしかして、いつもホクロの毛をなでてた人ですよね?
「少林寺木人拳」はたしかにより以前の映画ですが、ジャッキーのキャラクターはシリアスですよ。やってる修行はともかく。
ディーン・セキはホクロの人じゃないですねえ。
別名「ガチャ目」
http://narumu.hp.infoseek.co.jp/nobody12.jpg
ガチャっとしてない写真ですが。
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